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風の強い日の後にはの写真

更新日:2022.11.11風の強い日の後には

更新日:2022.11.11

風の強い日の後には

少し前の話になりますが、9月のある日ちょっと珍しい鳥が保護されてきました。

それが、こちら。

保護されたコシジロウミツバメ.jpeg

ケース越しでちょっと見づらいですが...コシジロウミツバメです。
コシジロウミツバメは主に夏鳥として太平洋側海域に渡来する渡り鳥で、

日本では北海道や東北の一部の島で繁殖をしています。

そのため、普段関東では見られない海鳥です。

そんなコシジロウミツバメがなぜ横浜で保護されたか?!

その理由が...強い風。
風が強い日の後は、風に流されて関東など日本の各地に迷い込んでしまうことがあります。
今年の9月は台風が多かったこともあり、流されてきてしまったのでしょう。

強風にあおられて内陸にやってきた海鳥は骨折をしていたり体力を消耗していることが多いのですが...

今回このウミツバメは骨折など外傷もなく、しばらくそっと様子を見ていると良く動きまだ体力はありそう!
海上で飛びながらプランクトンなどの餌を食べるウミツバメは

なかなかケージ内では自力で餌を食べないことも多いため、

今回は早めに放鳥した方がよいだろう、と判断。

今回の個体は港近くで保護されているため、天気の良い日を狙って同じような港近くで

海風に乗れそうなところを探して放鳥に向かいました。

橋の上から、海に向かって、いざ放鳥!

その様子を、動画を静止画にしたものなので画質が少し荒いですがコマ送りでお送りします。

橋の上からコシジロウミツバメを海の方角に.jpg

軽く投げるように放鳥.jpg

そのまま風に乗って飛んでいきます.jpg

さらに遠くまで飛んでいきます.jpg

あっという間にずいぶん遠くの方まで行ってしまいました.jpg


いつも放鳥の時は期待と不安でいっぱいなので、今回無事に飛び立ってくれて一安心。
このまま沖合まで頑張って飛んで行ってくれることを、信じて、祈りながら、その場を後にしました。


※横浜市内の動物園では傷ついたり弱った鳥類の保護活動を行っておりますが、

国内でトリインフルエンザの発生があったため、現在傷病鳥の受入は停止させていいただいております。

今後も鳥インフルエンザの発生状況により受入が出来ない場合がありますので

傷病鳥を保護された場合は、必ず持ち込み前に動物園にお問い合わせをお願いいたします。

傷病鳥獣の受入状況については動物園HPにも掲載しておりますのであわせてご確認ください。


飼育展示係 百武