更新日:2022.08.02個性が"きらり"
個性が"きらり"
お暑うございます。
毎日「暑い」が口癖のようになってしまっている今日この頃ですが、
日本の夏には風鈴や打ち水など五感で『涼』を感じる習慣がありますね。
そんな風情を動物たちにも味わってもらいたいと、
野毛山動物園では『クールビZOO』と銘打った特別ガイドを行いました。
ミナミコアリクイは毎週日曜日の13:45からお食事タイムを実施(※天候や動物の体調、
感染症拡大の状況により中止する場合もございます)していますが、
2022年7月24日は夏の特別バージョンとしてスイカをプレゼントしました。
雄のアサヒは数年前の誕生日会に小玉スイカを食したことがあるのですが、
雌のアンは野毛山動物園でスイカを食べるのは初めて。
さて、2頭はどんな反応だったのでしょうか?
まずは雄のアサヒ。
通常、この時期は屋外での展示を控えさせていただいているのですが、
ガイドの時間だけ雄のアサヒには屋外に出てもらっています。
炎天下の止まり木を登って、いつもの寝台に到着。
「ん? 嗅ぎ覚えのある甘い匂いがするな?」
いつものガイドではミルクをあげますが、すでにアサヒがスイカの匂いをキャッチしたようなので、
早速プレゼント。
「これこれ!」
アサヒの目の前に置くやいなや両前肢のかぎ爪を使って、果肉をホジホジ。
細長い舌でスイカの甘い果汁を飲んでいました。
よほど美味しかったのか、かぎ爪でスイカを持ち上げて食べるほど。
前日まで曇りがちだったのですが、当日は天気にも恵まれ、
夏空の下で食べるスイカをアサヒは堪能していたようでした。
続いて、アン。
こちらは屋内展示場の中でスイカを食べてもらうことに。
隣の小間で準備中からアンもスイカの甘い匂いに気付き、格子に登っての催促です。
待ちきれない様子のアンにも「はい。お待たせ!」
最初はお行儀良く、器に入れたままスイカを食べていたアンですが、
あまりの美味しさに興奮気味。
アサヒ同様に両前肢のかぎ爪で果肉をホジホジ。
だんだんホジホジの方が楽しくなって、果肉を周辺に飛ばしまくっています。
「イベントが終わってから床を掃除しようかな?」って観察していると、
最終的にはスイカ本体の果肉よりも、飛ばしまくった果肉と果汁の方からお行儀良く食べてくれていました。
これを見て、食べ物を大切にして「やっぱり、いい子だね」と思いました。
これまでもアサヒとアンの性格の違いをお伝えする場面が何度かありましたが、
スイカの食べ方にもその違いがはっきり現れました。
最後までお皿で食べる派のアサヒと
とりあえず果肉をホジホジしまくってから食べる派のアン。
同じミナミコアリクイが同じスイカを食べるのにも"個性がきらり"と光った2頭の様子でした。
旬の味覚、ごちそうさまでした!!!
お暑い中、クールビZOOにお集まりいただいた皆様、ありがとうございました。
※なお、現在、獣舎内の空調整備のため、非展示対応させていただいております。
ご了承ください。よろしくお願いいたします。
飼育展示係 大谷