
更新日:2020.07.25キリンの緑の貯金を目指して
キリンの緑の貯金を目指して
キリンの主食と言えば...もちろん木の葉ですよね。
動物園では、木の葉のほか、マメ科牧草(ルーサン)や生の牧草、ペレットなども給餌しています。しかし本来、木の葉を食べる動物であることから、木の葉を何とかたくさん与えられるように努力しています。
野毛山でもヤマモモやスダジイ、シラカシなどの木の葉を購入するほか、園内で採取するなどしてきましたが...まだまだ足りない日もある...と頭を悩ませています。
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美味しい枝をお腹いっぱい食べさせたい...そう願って、毎年、毎日いろいろ、いろんなところで、いろんな人につぶやいていたところ...
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緑の協会が管理する公園で伐採や剪定作業があるときに声をかけていただけるようになりました。緑豊かな公園と協力できることはとてもありがたいですね!!!
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そんなわけで...
桜の咲くころ、山手イタリア山庭園にお邪魔しました。
この時はスダジイの剪定があり、軽トラックにたくさん積んできました。
これでもかっ!というくらい詰め込みました。
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また、ある日は野毛山動物園の分園でもある万騎が原ちびっこ動物園のヤマモモの剪定でも同じように山盛りにして運んできました。
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しかし...喜んでばかりもいられません。
枝も良い状態で保管しなければ、キリンたちは食べなくなります。
また、同じものが続けば、飽きてしまいます。グルメです。
大量に確保できても全てを使いきれないのでは意味がありません。
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無駄にせず、キリンたちが美味しく食べられるように、枝を長期保存できる方法はないものかと考えました。
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ヨーロッパなどでは冬季のために乾燥させたり、サイレージにしたりして長期保存をして枝が採取できない時期に給餌しており、嗜好性も良いとのことなので、サイレージづくりにチャレンジしてみることにしました!思い立ったが吉日ということで、大量な枝が確保できたときに、実験をスタートしました。
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まず食べやすいサイズに枝を切り分け、ある程度水分量を減らすため、乾燥させます。
日当たり抜群なキリン舎の屋上で天日干ししてみましたが...
この後風で飛ばされました(前途多難)。外に干すと突然の雨や強風などで、放置できず...他の仕事中も担当者がソワソワしてしまうため...
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次の手として、ルーサンなどの牧草がカビないよう除湿器を設置している部屋に置いてみました。
手前の白い物体が除湿器です。
果たして...乾燥するのでしょうか!?
1日乾燥させたもの、2日乾燥させたものなど、いろいろ試します。(乾燥させ過ぎたかな?)
乾燥させた枝をビニール袋に入れ、できる限り空気を抜いて...
詰め込み、蓋を閉めて、密封状態にします。1ヶ月後くらいに開封してみたいと思っています。
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さて、これがうまくいくのかは...神のみぞ知る...カビませんように...発酵しますように...。この実験の続報があるのか...ないのか...は、担当者の心が折れるか折れないか...次第です。
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それでも、色々な策や手を尽くして、何とか十分な量の枝を安定して確保していけたらと思います。
(どこに行っても枝が気になるキリン担当 落合)