更新日:2026.04.22ウミネコが環境省レッドリストで絶滅危惧種に指定されました
ウミネコが環境省レッドリストで絶滅危惧種に指定されました
2026年3月に公表された環境省の第5次レッドリストにおいて、ウミネコが絶滅危惧Ⅱ類に指定されたので、皆さまにもお知らせしたいと思います。
※当園ホームページでは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(軽度懸念LC)に準じております。
これを機に改めて、ウミネコの魅力を知ってもらいたい!ということで、今回は当園のウミネコの様々な写真を紹介しながら、このブログを書いていきたいと思います。
さっそくまずはウミネコの全体写真です↓

こちらは正面顔↓

顔アップ写真も↓

飛翔時の写真はこちら↓
黄色い眼の周りに赤い眼輪、黄色い足に嘴、さらに嘴には赤と黒の色が付いているのが特徴です。そして何よりウミネコの特徴といえば、尾羽の黒い線です!英名ではBlack-tailed Gull(黒い尾のカモメ)と呼ばれています。和名のウミネコは、鳴き声が猫のような「ミャア」であることからこの名がついています。
冬羽(大体8月ごろから)になると頭が黒くなります↓

さて、環境省レッドリストとは日本に生息・生育する野生生物を対象に、専門家で構成される検討会において、生物学的観点から種又は亜種の絶滅の危険度を客観的に評価してリストにまとめたものです。(環境庁ホームページ参照)
環境省レッドリストでは上から順に絶滅・野生絶滅・絶滅危惧ⅠA類・絶滅危惧ⅠB類・絶滅危惧Ⅱ類・準絶滅危惧・情報不足の7つにカテゴリーされています。
今回ウミネコが指定された絶滅危惧Ⅱ類は、絶滅の危険が増大している種(現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、「絶滅危惧IA類(CR)」または「絶滅危惧IB類(EN)」のカテゴリーに移行することが確実と考えられるもの)に対して指定されるものです。
これまでウミネコは、レッドリストに名前が挙がることはなく絶滅の恐れはないとされていました。しかし、ウミネコの個体数は1990年代以降から激減しており、2000年代以降も減少は加速している状態です。減少の原因としては、イエネコ・ノネコやドブネズミによる捕食と撹乱、カラスによる卵や雛の捕食、餌となりうるイカナゴ、ホッケ、イワシ類等の魚類の減少なども考えられています。また、地域によっては人間による巣や卵の採集や撤去がなされているほか、繁殖地への立ち入りによる営巣の妨害も生じています。
2025年5月22日に孵化したウミネコの雛↓

日本には冬の時期になると様々な種類のカモメが越冬のために飛来してきます。その中でも、日本で繁殖をするカモメの仲間はウミネコとオオセグロカモメの2種類だけです。ウミネコは今回のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定され、そしてオオセグロカモメは絶滅危惧IB類に指定されました。このままでは、日本で繁殖するカモメの仲間はいなくなってしまうかもしれません。
成鳥(左)↓と孵化した雛(右)の今(もう立派な若鳥ですが、姿はまだまだ成鳥とは異なる姿をしています)

ペアで寄り添うウミネコ↓(ウミネコは基本的にペアの相手を変えず、毎年同じ相手と繁殖をします)

特に冬の時期になれば、どの地域の海沿いでも普通に見ることのできるウミネコ。海をイメージする音、といえばウミネコの鳴き声が思い出されるくらい日本人にとっては馴染み深い鳥ですが、そんな声を聴くことができなくなる日がいずれ来てしまうかもしれません。
1本足で立つウミネコ↓(寒い日はこんなふうに1本足で立っていることも)

水浴びをするウミネコたち↓(餌のアジやイワシを食べ終えると、すぐに嘴を洗って水浴びを始めることが多いです)

水浴びの後は入念に羽繕い↓
今回のレッドリストではウミネコのほかにも、コサギやキンクロハジロ(冬鳥)など比較的普通に観察できて数も多いと思っていた種が含まれており、私も驚きました。ちなみに、コサギやキンクロハジロはズーラシアでも時々観察される野鳥です。今回のレッドリスト発表を受けて、私たちの気付かないところで数を減らしている生き物は数多くいることに改めて気づかされました。
身近にいると思っていた生き物たちがいつの間にか見られなくなった、という状況に陥る時がいずれ来るかもしれません。そんな日が来ないためにも私たち人間ができることをしっかり考えていきたいと思います。そして、生き物たちの変化に気付けるように、また興味を持ってもらえるように、ぜひ皆さまも身近な生き物に注目して日々過ごしていただけたら幸いです。
最後に...お餅みたいなウミネコ↓

ウミネコの未来が明るいものでありますように。
飼育展示係 田中