更新日:2026.06.05『ズーラシアの歩き方~亜寒帯の森編~』
『ズーラシアの歩き方~亜寒帯の森編~』
『亜寒帯の森』ゾーンの展示ストーリーは、ヒマラヤの高山地帯から始まり、徐々に標高を下げながら北極海へと至る壮大な旅をテーマにしています。
このエリアでは「寒冷地」という共通項を軸に、ヒマラヤの山岳、タイガの森林とステップ、そして北極海沿岸のツンドラ地方といった、それぞれの地域が持つ特色ある景観が再現されています。
1. 5つのシーンでつづる環境の変化
空間構成は、大きく分けて以下の5つのシーンで展開されます。
ヒマラヤの山岳:ゴールデンターキン、レッサーパンダが暮らす高地

キジの木立:キジ舎やバードケージが並ぶ静かな森
キジ舎が並ぶ園路
ハッカン
渓流と海岸:カワウソやペンギンが活動する水辺
ユーラシアカワウソの展示場
フンボルトペンギンの展示場
タイガの木道:広大な「アラースの谷」を望むエリア

海の哺乳類:ホッキョクグマやオットセイが躍動する極地の海
ミナミアフリカオットセイの水中ビュー
ホッキョクグマの展示場
2. 「アラースの谷」が象徴する極地の景観
エリアの中核をなす「アラースの谷」は、永久凍土が溶けて形成されるタイガ特有の陥没地形(アラース地形)を再現したものです。
実はこの場所、本来は園内の遊水地として機能しているため建造物を建てられない制約がありますが、それを逆手に取り、動物展示施設がその広大な空間を取り囲むように配置されています。これにより、来園者は極地ならではのスケール感あふれる景観を肌で感じることができます。

3. 生態を読み解く、4つの展示テーマ
展示全体を通して、「寒冷地の地形と植生」「環境による適応の違い」「水中生活の工夫」といった4つのテーマが設定されています。
各展示場では、動物たちの能力が最も際立つ景観が用意されています。例えば、急峻な岩場を軽々と登るゴールデンターキンの登攀(とうはん)能力や、レッサーパンダの樹上行動、さらには水中と陸上の両方で巧みに活動するホッキョクグマやペンギンの姿を、多角的な視点から観察できる工夫が凝らされています。
厳しい自然環境に適応し、独自の進化を遂げた動物たちの力強さを、その背景となる景観と共に深く味わえる構成となっています。
木に登るレッサーパンダ
水中を泳ぐフンボルトペンギン
ここでは、『亜寒帯の森』ゾーンのトリビアをご紹介します。
<わくわくトンネル>
「アジアの熱帯林」と「亜寒帯の森」の間には「わくわくトンネル」と呼ばれるトンネルがあります。このトンネルは2つのゾーンの境界に位置しており、アジアの熱帯林からヒマラヤの山岳へ切り替わる結節部となっています(実はトンネルの上には私たちスタッフが園内を移動するための管理用道路があります)。
自然な感じでゾーンを移行すると同時に、熱帯林ゾーン~柔らかい・湿潤・木が豊富なイメージ~と、山岳ゾーン~硬い・乾燥・けわしい岩山のイメージ~といった環境の違いを感じてもらうために、地質学的なストーリー(熱帯林側:柔らかい地層(木枠など)&亜寒帯側:硬い岩盤層)が設定されており、トンネル内で徐々に切り替わっています。
わくわくトンネルのアジアの熱帯林側出入口
わくわくトンネル内部(アジアの熱帯林→亜寒帯)
わくわくトンネルの亜寒帯側出入口
わくわくトンネル内部(亜寒帯→アジアの熱帯林)
次回は『オセアニアの草原』編です。お楽しみに~
※過去の連載はこちら