
更新日:2025.09.03ラスクマルのあそこ ②
更新日:2025.09.03
ラスクマルのあそこ ②
前回に引き続いて側頭腺の話です。側頭腺はオスだけではなくメスにもあります。メスはあまり分泌することはなく、分泌しても汗のようにツーっと一筋流れるぐらいです。シュリーの側頭腺はシワに紛れて見つけづらいですが、ちゃんと存在します。
(前回のブログはこちら:「ラスクマルのあそこ①」)
ちなみに、アフリカゾウはアジアゾウより分泌量が、オス、メスともに多いようです。なぜこの分泌腺があるのかはよくわかっていません。
側頭腺分泌についておもしろい話をきいたことがあります。前回のブログでお話した通り、オスの側頭腺分泌は気の荒くなる時期にみられます。野生の世界では、周りのオスに対しての宣戦布告です。若い成長途中のオスがこの状態になると、周りのおとなのオスに攻撃されます。そのため若いオスの側頭腺からの分泌液はハチミツのような甘い匂いがして、周りからの攻撃を回避するという話を聞いたことがあります。実際に確認したことはありませんが...。
側頭腺分泌をともなう気の荒い時期は、飼育下では10歳ぐらいから徐々に始まります。大人への階段を上り始めるといったところです。
次回はラスクマルの気の荒い時期についてもう少し詳しくおはなしします。お楽しみに。
( 飼育展示係 栗原 幹尚 )