更新日:2022.04.25他力本願からの卒業
更新日:2022.04.25
他力本願からの卒業
今年も魚たちの繁殖シーズンがやってまいりました。初めにその兆候を見せてくれたのは、ミヤコタナゴです。
お腹から白くて細い産卵管が伸びているのが確認できます。
メスはこの産卵管を二枚貝のエラに挿入して産卵します。
まだ数匹しか確認できていませんが、オスの追尾も始まっているようです。
昨年入手して、まだ生き残っているカワシンジュガイが1匹だけ存在しています。
もうちょっと生き延びてくれたらこの最後の貝を産卵母貝として使用しますが、国内に生息するカワシンジュガイが絶滅危惧種になったということで、販売目的での採集が禁止されました。
カワシンジュガイを産卵母貝とすれば、繁殖数が格段に多くなるということで今まで重宝してきましたが、理由はどうであれ、動物園で絶滅危惧種を利用するのは本末転倒のような気もします。
そこで、今年から生きた二枚貝の利用をやめて、人工授精による繁殖に取り組むことにしました。
動物園でタナゴの摩訶不思議な繁殖生態をご覧いただけなくなること、ご理解ください。
(飼育展示係 川崎立太)