「平胸類」って知ってますか？

鳥類の分類で平胸類（へいきょうるい）と呼ばれる仲間がいます。

走鳥類（そうちょうるい）というのも同じ仲間を指すので、こちらの方がわかりやすいかもしれません。

走鳥類というのは字の通り地上を走って移動する鳥のことで、ダチョウやエミュー、レア、ヒクイドリ、キウイなどが含まれます。

では、なぜ平胸類と呼ばれるのでしょう？

鳥の胸はみんな平らに見えますが、名前の由来は骨にあります。

これはツクシガモの胸骨ですが、一般的な鳥の胸骨は中央に竜骨突起と呼ばれる仕切りがあります。これを中心に羽ばたくための胸筋が発達しているため、表面上は平らに見えるのです。

一方こちらはダチョウの胸骨です。ダチョウにも翼はありますが、胸筋はほとんどなく羽ばたく力がないので竜骨突起は発達していません。「平胸類」という分類はこの胸骨の形態に由来しています。

２つの胸骨を並べてみると一目瞭然です。

ところで、飛ばない鳥といわれるカグーの胸骨はどうなっているのでしょう？

さっそく骨格標本で確認してみましょう！

しっかりした竜骨突起が発達しています。

実際に飛び立つ姿は見たことがありませんが、鶏と同じ程度の飛翔力があるといわれています。

（飼育展示係　藤岡）

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