
更新日:2025.06.22【あみあみ便り】世界キリンの日を迎えて
【あみあみ便り】世界キリンの日を迎えて
世界キリンの日は1年で最も日が長い夏至に、最も首が長いキリンのことを知ってもらう日として、2014年にキリン保全財団が制定しました。
なぜ、こんな日が必要になったかということを気にしたことはありますか?
キリンは動物園でお馴染みの動物で、小さな子どもたちも知っている動物です。グッズやイラスト、写真も世界に溢れています。
でも、本当の彼らを知っていますか?
アフリカで暮らすキリンたち。
もともと生息していた7カ国では、すでに絶滅していることを。
アフリカの絶滅危惧種の代表でもあるアフリカゾウより、生息数が少ないことを。
未だ、密猟やトロフィーハンティングの犠牲になっていることを。
私たちが知らなかったために、関心を寄せなかったために、知らず知らずのうちに絶滅危惧種に指定されるまで、生息数を減らしていたことを。
そして、原因のひとつが地球温暖化による気候変動であり、その原因には、遠い日本で暮らす私たちの行動にもあることを。
大きな体に長い首。長い舌を使って、木の葉を食べる。好奇心が強く、でも警戒心も強い。愛らしい瞳で私たちを見つめてくれるキリンたち。
そんな彼らは、将来、絵本や図鑑の中でしか会えない動物になってしまうかもしれません。そんな現状を変えるために、世界中のみなさんに知ってもらうために制定されたのです。
制定から10年を超えましたが、絶滅の危機にあることは変わりません。
それでも、キリンたちの危機を知って、私たちの隣で、一緒に関心を寄せてくれる方も増えました。担当者である私にも出来ることには限りがあります。でも、みなさんの協力があれば、その限界はまだ広がっていきます。たくさんの人に声を届けてください。
保全活動は、結果はなかなか現れないものです。自然は失うのは一瞬ですが、取り戻すためには時間がかかります。
だから、手遅れになる前に、今できることを始めましょう。
毎日の生活で、仕事を通して、趣味や強みを活かして。そして、続けていきましょう。仲間を巻き込んで、輪を広げていきましょう。私たちにできることは日常に溢れています。私たちが変われば、キリンの未来を変えることができます。
(昨年度の寄付のお礼状とにんまり顔のモミジ)
野毛山動物園では7月21日まで、キリン保全財団を支援するために募金活動を行っています。ご協力をよろしくお願いします。
(飼育展示係 落合)