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更新日:2024.05.15クイズ換毛期!

更新日:2024.05.15

クイズ換毛期!

みなさんこんにちは。
①換毛期前のイチゴ.jpg日々つつがなく過ごしていると特にエピソードがなく、ブログを書かない期間が長くなってしまいますね。

という、言い訳を毎年思いながら冬~春を過ごしてしまいます。

そしていつも新年度の始まりはこのネタ。「換毛期です。」
 
②寝室の床に落ちている毛玉.jpg毎年、寝室の掃除中に排水溝に毛がたまり始めることで換毛期の始まりを感じます。

いつもは4月中旬なのですが、今年は早くから暖かかったためか4月初旬から始まりました。

5月に入り、見た目もボサボサになってきたイチゴです。
③背中がボサボサになってきたイチゴ.jpg
④擬木のてっぺんで毛づくろいするイチゴ.jpg一日中自分で毛づくろいをしているにも関わらず、毎朝ブラッシングをしてもしても、延々取れます。
⑤朝ごはん中にブラッシング.jpg
⑥ブラシにびっしり取れた毛.jpg
 

さて、毎年この報告だけで終わっては面白くないので、今回はここでクイズです。
 
以下のうち、動物園の職員がおこなってはいけないことはどれでしょう?

①取れた毛をフェルトにしてレッサーパンダ人形を作ってショップで売る。

②取れた毛をフェルトにしてレッサーパンダ人形を作ってお客さんにあげる。

③寝室に落ちている毛を集めてお客さんにあげる。
 
⑦別の日の朝のブラッシング.jpg
⑧ブラシに取れた毛を見るイチゴ.jpg
 

答えは...全てNGです!
 
これはレッサーパンダが「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」と

日本の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で守られているためです。

「ワシントン条約」と「種の保存法」では、国内・国際希少野生動植物種の生きている個体のほか、

死体やその生物から派生する全ての物(毛、爪、牙など)が規制の対象となります。

そのため、国際希少野生動物種であるレッサーパンダの毛は、加工しようがしまいが、

売ることはもちろんあげることも許されないということになります。

⑨展示場の木陰で休むイチゴ背中もしっぽもボサボサ.jpg

ついでの話をしますと、レッサーパンダはよくブリーディングローンなどで動物園間の移動が行われますが、

これはあらかじめ環境省からの移動許可を得た上で行っています。

生息域外保全に貢献する繁殖目的は、貸し借りの十分な理由になるため許可が下りるのです。

(いかなる理由があっても、公立私立関係なくどの動物園も国の許可なく勝手に移動させることはできません。)
⑩擬木の上から下を眺めるイチゴ.jpg

もっと詳しく知りたい方は、ぜひ環境省や経済産業省などのHPも見て勉強してみて下さいね。

  

例年の通りだと、イチゴの換毛が落ち着くのはあと1カ月ほどかかります。

今年もツヤツヤキレイに換毛できますように☆

  

  

飼育展示係 永井