
更新日:2025.10.14ヤブイヌ通信 来園のお知らせ
ヤブイヌ通信 来園のお知らせ
先ほど園のリリースにもあった通り、埼玉県こども動物自然公園よりオスの「フクマル」が来園します。
ご存知の方も大変多いとは思うのですが、フクマルは当園で飼育しているカノンと同腹の兄妹です。
鼻に何かをつけているカノン。
兄妹同士のフクマルを当園に搬入するにあたり、その経緯をお伝えしたいと思います。
ヤブイヌは、一時は、国内では30頭以上が飼育されていましたが、現在、その数はかなり減少してしまい、7園館で13頭しか飼育されていません。
すでに、国内にいる個体の血縁が濃いこともまた事実です。(パパマル、カノンも血縁関係にあります。)
私がヤブイヌを担当したのは2024年の4月からで、そこからパパマル・カノンの日中同居、終日同居を行い、カノンの発情が周期的にきていることがわかりました。
ただ、パパマルはその時すでに8歳を過ぎており、うまくマウントができなかったり、カノンを追いかける体力がなく、疲れてしまったりする様子が見られました。
発情が始まる時期に合わせて、床を滑りにくくする対策をしてみたり、足腰を鍛えることができるかな?と思い、普段の給餌の際、立ち上がって食べるように促してみたりもしましたが...うまく乗れないことがほとんどでした。
国内のヤブイヌの繁殖最高齢は、記録では8歳です。
ヤブイヌに限らず、年齢にとらわれずに繁殖する個体もいるとは思うのですが、パパマルの体力からすると、難しそうだな・・・という印象でした。
パパマル、カノンは非常に仲が良いのですが、国内でも相性は良くて、長く一緒にいても繁殖しないペアは多いようです。
海外から新しい血統の個体を受け入れられれば1番良いのですが...。現段階では非常にハードルが高い状況です。
このことから、国内のヤブイヌのおかれている状況により、フクマルをズーラシアへ入園させ、繁殖による個体数の確保の取り組むことになりました。
これからも長く、国内でヤブイヌの飼育を継続し、多くの方に身近に感じていただけるような存在になるよう、今後も取り組んでいきたいと思っています。
皆様のご理解と応援を、引き続きどうぞよろしくお願いします。
担当者 矢口