よこはま動物園ズーラシア公式サイト

twitter facebook youtube instagram
オオタカ初めてのマイホームづくり🏠③の写真

更新日:2025.11.07オオタカ初めてのマイホームづくり🏠③

更新日:2025.11.07

オオタカ初めてのマイホームづくり🏠③

動物病院で飼育しているオオタカの営巣記録。

(前回のブログこちら:「オオタカ初めてのマイホームづくり🏠②」)

 

巣が拡大してきたある日。

片方の個体がザルのなかに、とどまるようになりました。

巣で休む2羽のオオタカ.jpeg

それと同じころ作業に入る担当者への攻撃性も高まり、不用意に接近すると、とびかかってくるようになりました。

もう一羽の個体(後ろにいる方)もザルの近くに陣取り、人が近づくと威嚇するようになりました。

※雌雄のペアではなく両方ともメス個体です。

 

いよいよ産卵したかな?と思い、オオタカたちが巣を離れたタイミングでのぞいてみると・・・オオタカの卵.png

産卵していました!!!

 

これまで獣舎の床で卵を産み捨ててしまう例はありましたが、営巣した巣のなかで産卵したのは20年近く飼育している中で初めてでした。

 

残念なことに動物病院で飼育している個体はどちらもメスのため、産卵した卵は無精卵です。

様子を見ながら卵を取り上げることにしました。

採卵した卵.jpeg

↑採卵した卵。

採卵した卵は、重量などを確認したのち、内容物を取り出して標本にしました。

計量中の卵.jpg

↑重さを計測する様子。

 

卵殻標本は今後、動物病院ツアーなどでの教育普及活動に活用しようと思います。

 

最後に今回の反省点・・・

今年度は巣台のスペースが狭く、1羽分しかスペースがありませんでした。

その結果、なにが発生したかというと・・・

床でも産卵していました.jpeg

巣台で営巣できなかった方の個体がケージの地面で産卵してしまいました・・・。

 

採卵したオオタカの卵.jpeg

枝を集めて簡易的な巣を作っていましたが、この場所は雨が吹き込んでくるエリアだったので、すぐに採卵しました。

 

落ち着いた様子のオオタカたち.jpeg

↑採卵からしばらくして落ち着いて採食しているオオタカたち。

 

さて、怪我の影響で野生に返すことはできない2羽ですが、限られた環境のなかでも環境整備によって、これまでなかった行動が見られるようになりました!!

 

今年度の取組結果と反省点を踏まえて、できるだけオオタカ本来の姿で生活が出来るように、今後も整備を続けていきたいと思います。

 

傷病動物担当 尾形

(横浜の動物園での取組みはこちら:「傷病鳥獣保護の取組み」)