更新日:2025.11.07オオタカ初めてのマイホームづくり🏠③
オオタカ初めてのマイホームづくり🏠③
動物病院で飼育しているオオタカの営巣記録。
(前回のブログこちら:「オオタカ初めてのマイホームづくり🏠②」)
巣が拡大してきたある日。
片方の個体がザルのなかに、とどまるようになりました。

それと同じころ作業に入る担当者への攻撃性も高まり、不用意に接近すると、とびかかってくるようになりました。
もう一羽の個体(後ろにいる方)もザルの近くに陣取り、人が近づくと威嚇するようになりました。
※雌雄のペアではなく両方ともメス個体です。
いよいよ産卵したかな?と思い、オオタカたちが巣を離れたタイミングでのぞいてみると・・・
産卵していました!!!
これまで獣舎の床で卵を産み捨ててしまう例はありましたが、営巣した巣のなかで産卵したのは20年近く飼育している中で初めてでした。
残念なことに動物病院で飼育している個体はどちらもメスのため、産卵した卵は無精卵です。
様子を見ながら卵を取り上げることにしました。

↑採卵した卵。
採卵した卵は、重量などを確認したのち、内容物を取り出して標本にしました。

↑重さを計測する様子。
卵殻標本は今後、動物病院ツアーなどでの教育普及活動に活用しようと思います。
最後に今回の反省点・・・
今年度は巣台のスペースが狭く、1羽分しかスペースがありませんでした。
その結果、なにが発生したかというと・・・

巣台で営巣できなかった方の個体がケージの地面で産卵してしまいました・・・。

枝を集めて簡易的な巣を作っていましたが、この場所は雨が吹き込んでくるエリアだったので、すぐに採卵しました。

↑採卵からしばらくして落ち着いて採食しているオオタカたち。
さて、怪我の影響で野生に返すことはできない2羽ですが、限られた環境のなかでも環境整備によって、これまでなかった行動が見られるようになりました!!
今年度の取組結果と反省点を踏まえて、できるだけオオタカ本来の姿で生活が出来るように、今後も整備を続けていきたいと思います。
傷病動物担当 尾形
(横浜の動物園での取組みはこちら:「傷病鳥獣保護の取組み」)