更新日:2023.05.18カワウのその後
更新日:2023.05.18
カワウのその後
保護された当初は立つこともできなかったカワウが、
リハビリのおかげで飛ぶ練習をするまでになった経過をブログでご紹介してきました。
あれから数か月、今カワウはどうしているかというと・・・?
すっくと立っています。尾羽もだいぶ伸びました。
小間の中を走り回ったり、羽ばたいたりして元気に過ごしていましたが、
野生に帰すには更なるリハビリが必要で、限られたスペースでどこまでできるのか・・・
と思いあぐねていたところ、連携を行っている大学から、
教育普及活動に活用をすることを目的に移管希望の連絡が来たのです。
この個体を飼育して8か月が過ぎ、野生復帰には正直なところかなり不安が残り、
こんな状態では難しいのではないかということが頭をよぎりました。
大学では身体機能の維持向上にも取り組んでいただけるということもあり、
この打診を前向きに検討し、移管を行うことにしました。
決め手の1つはこの個体が人との生活にそれなりに適応していた点です。
もちろん野生復帰を前提として飼育はしていましたし、人馴れさせてはいないのですが、
人との生活がそこまでストレスを与えてはいないと判断できたことが大きいです。
そして4月某日、カワウは大学へと旅立つことになりました。
段ボール箱に誘導中
入るかな?
入ったー!
確保完了!
このあと大学関係者に引き渡しを行いました。
こちらで野生復帰を目的に飼育されていたのとは違い、
大学では飼育下動物として先生や学生たちに囲まれた生活を送ることになります。
うまく適応できるのか、多少の心配はありましたが、
移管当日に早くも大学の皆さんの人気者になっているという連絡を受けてほっと一安心しました。
元気でいてくれて、お役に立つことを願っています。
(飼育展示係 小野)