更新日:2022.04.19ようやく巡ってきた機会
ようやく巡ってきた機会
お待たせいたしました!
2022年3月28日に伊豆シャボテン動物公園からやって来たミナミコアリクイのアン(雌1歳)の一般公開が始まりました。
「待っていました!!」というアンちゃんファンの皆様、本当にお待たせいたしました!!
また、これまで野毛山動物園のアサヒを応援してくださっている皆様、これからはアサヒとアンの2頭をよろしくお願いいたします!!!
※天候や動物の状況によってはご覧いただけない場合もございます。予めご了承ください。
移動前から移動当日、それから~のお話しはたくさんあるのですが、今回はアンが野毛山動物園にやって来てくれた経緯を最初にお話ししておこうと思います。
ミナミコアリクイの野生での状況はIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストでLC(低危険種)というランクで、今すぐ絶滅の心配がある動物ではありません。
しかし、その生態はまだ不明な点が多く、特に飼育下ではその飼育管理の方法がまだ確立されていない部分も多い動物でもあります。
ミナミコアリクイは国内飼育園館が14園館、飼育頭数32頭のうち雌は10頭(令和4年4月6日現在)しかいません。
これは、繁殖に適した雄個体とペアを組ませることができる雌の割合が圧倒的に少ないということを表しています。
実際、野毛山動物園でもアサヒ(雄7歳)の繁殖の相手となってくれる雌個体をずっと探し続けてきました。
これまで、『どの方法なら国内のミナミコアリクイの繁殖に貢献できるか?』を何通りかのパターンを用意しながら、園としても検討してきました。
そして今回、伊豆シャボテン動物公園さんが雌のアンをアサヒのペアを組ませる相手として、ブリーディングローン(BL:繁殖を目的とした動物の貸借)にて貸し出してくださることになりました。
いろいろな紆余曲折を経て、ようやく巡ってきた貴重な機会です。
たくさんの愛情と適切な飼育管理により日本で一番コアリクイ(キタコアリクイ含む)を飼育されている伊豆シャボテン動物公園さん。
野毛山動物園はアサヒの入園以来、ずっと1頭飼育だったため、飼育に関するデータが少なく試行錯誤しながら飼育していた面もありましたが、今回、伊豆シャボテン動物公園さんは繁殖含む飼育管理などを丁寧にご指導くださいました。
あらためて、この場をお借りして、お礼申し上げます。
これからも誠心誠意、アンを大切にお世話させていただきます。
そして、野毛山動物園では『動物ファースト』の精神で、貴重な野生動物としてのミナミコアリクイの立場を尊重していきますので、どうぞ温かく見守っていただけると嬉しいです。
アンちゃん公開初日に少々お堅いお話しになってしましましたが、次回は移動日の様子をご報告いたします。
お楽しみに!
飼育展示係 大谷