
更新日:2025.04.08アカエリマキキツネザルの一年②
アカエリマキキツネザルの一年②
前半のブログの続きです。
まだご覧になられてない方は、ぜひ前半からチェックしてみてください。
私は昨年4月にアカエリマキキツネザルの担当になり、こんな風に彼らと1年過ごしてきました。
サルの飼育担当は未経験で、初めは個体識別に苦労し、頭上から容赦なく降ってくる糞尿で服や身体を汚し、突然耳元で彼らが一斉に発する大きな鳴き声(縄張り主張やコミュニケーション)に心臓が飛び出そうになりました。
その一方で、すぐにこのユニークでヘンテコかわいい生き物の虜になりました。
モッコモコでフワフワの毛皮、身体よりも長いしっぽ、よく見るとたくさん生えているヒゲ、黒目が小さくキョトンとして見える顔、想像以上にがばっと大きく開く口、あくびをする時の凶悪すぎる表情、めちゃくちゃ強い握力、びっくりするほど大きな鳴き声、飼育員に飛び乗ったり何でも触ろうとする無邪気さ(これは個体によりますが)、餌を食べれば大抵のことは忘れる単純さなどなど...。
飼育員として動物の紹介をする際に、軽率に「かわいい」という言葉を使うのは個人的にあまり好きではないのですが、それをもってしてもこの生き物は本当にかわいいのです。そして面白い。
ここまでつらつらとアカエリマキキツネザルについて書きましたが、私は3月末で彼らの担当を離れることとなりました。
まだまだ仕事を覚えるのに精いっぱいで、担当だった間にアカエリマキキツネザルの魅力を十分に伝えることができなかったなと、少し心残りはあります...。
そしてこのブログの更新も、3月中に作成が間に合わず4月になってしまいました(汗)
ですが、これもまた飼育員のお仕事。
新しく与えられた仕事を、また精一杯頑張っていきたいと思います。
ところで、当園のアカエリマキキツネザルたちはみんな4月生まれと5月生まれ。
みんなまたひとつ歳を重ねます。
最年少の双子、ロイ&ロジーも4月14日で2歳になります。
大きくなりましたが、まだまだ無邪気なわんぱく坊主とおてんば娘。
オスのロイは餌を食べるといつも口の周りがべちゃべちゃだし...、
メスのロジーは猪突猛進タイプ。
こちらの写真はもらった小松菜を見失い、新たな小松菜をおねだりしている様子です。
「すっかり大きくなって、見分けが付かない!」というお声をたまにいただきます。
二頭とも大人たちと比べるとまだ少しだけ身体が小さく、体重は2.5kg程。
当園のアカエリマキキツネザルは4歳以上の大人のオスで3~3.5kg程、大人のメスで3.5~4kg程あります。
↑ロジー(上)と成メスのヨック(下)
↑成オスのイケメン(左)とロイ(右)
また、ロイは瞳の中央が茶色っぽくマズル(鼻先のとんがり)が細いのが特徴、ロジーは瞳全体が黄色っぽいのが特徴なのと、二頭とも後ろ足の指の部分に白い毛が生えているのが特徴です。
あとはどちらもとにかく元気いっぱい。
↑ロイ(左)とロジー(右)
アカエリマキキツネザルは真っ黒な顔に目がギョロっとしてみえるビジュアルのせいか、なぜか(一部を除き)そこまで人気がありません...。
こんなに可愛くて面白いのに...。
実際に動いているアカエリマキキツネザルをご覧になれば、彼らの虜になること間違いなし!
ぽかぽか暖かなこの時期は、アカエリマキキツネザルを観察する絶好の季節です。
ぜひ、野毛山動物園にお越しの際はこのユニークでヘンテコかわいい動物をチェックしてみてください。
アカエリマキキツネザルを群れで見ることができるのは、日本で野毛山動物園だけですよ!
たった一年でしたが、アカエリマキキツネザルたちと関わることができて本当によかったです。
ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。
飼育展示係 小島