更新日:2025.12.12クマのお引越し
更新日:2025.12.12
クマのお引越し
野毛山動物園のリニューアル計画に伴い、ツキノワグマのサンペイとコマチがズーラシアにお引越しすることになりました。


動物の搬出にはいくつかの方法があり、バードケージの鳥たちのように、捕まえて輸送箱に入れることのできる種ではそうしますが、クマのように体も大きく危険な動物はそうはいきません。

そのような動物では一般的に、自ら輸送箱に入ってもらえるようにトレーニングするか、麻酔をかけて眠らせて輸送箱に運び入れるか、のどちらかになります。どちらも、メリット、デメリットがあります。トレーニングには時間がかかり、当日はいつもと違う雰囲気を察して失敗の可能性もあります。麻酔は、動物の体への負担がゼロではありません。
この2頭は、以前にもズーラシアに移動した経験があります。

クマ舎の修繕のため、2016年2月~4月までの2か月間、ズーラシアに間借りしていました。この時は期間が限られていたこと、若く健康であったこと、スペースの都合上、輸送箱を長期間設置できる場所がなかったことなどから、麻酔による箱入れが選択されました。しかし今回は、まだまだ元気な2頭ではありますが、高齢になり、なるべく麻酔を避けたいと考え、トレーニングで輸送箱に入ってもらうことにしました。前回は同じ日にズーラシアへ出発した2頭ですが、今回は、トレーニングに必要な期間がある、暑い時期の移動を避ける、などのことを考慮し、まずは2026年3月にサンペイ、約半年後の2026年秋にコマチを搬出することにしました。トレーニングがうまくいかない場合には麻酔を使用する可能性も考え、獣医と安全な使用についての検討も重ねています。2頭にとって最も良い方法を選択していきたいと思っていますので、ご理解いただきますよう、お願いします。(はんざわ)