更新日:2020.06.16ダチョウの卵②~標本作り編~
ダチョウの卵②~標本作り編~
開園再開して早々に梅雨になり、外出するには憂鬱な季節になってしまいました。蒸し暑いのにマスクをしなければならず、例年以上に体調管理が難しいかと思いますので皆さまご自愛ください。
さて、前回のブログでは「グミ」の産卵の様子を紹介しました。今回は産まれた卵をどうしているのかを紹介していきます。
前回も少し紹介しましたが、「グミ」は年間で約40個の卵を産みます。当園はオスのダチョウがいないため、産まれてくるのは雛がかえらない無精卵です。無精卵でもそのままにしておくと抱卵してしまうかもしれないので、産まれた卵は回収しています。
卵を回収したら、まずは記録のために重さを計測します。その後はいつ産まれた卵なのかわかるようにするために殻に日付と重さをメモしておきます。
(重さの計測の様子)
(日付と重さをメモした卵)
臨時休園する前は定例のガイドで実際に卵を持ってもらうことで大きさや重さ、殻の硬さを実感してもらうのに使っていたので、しばらくはそのままの状態で保管して、産まれてから日にちが経った卵から中身を抜いて卵殻標本にしています。他の鳥の卵なら簡単に穴を開けて中身を抜けるのですが、ダチョウの卵は人間の大人が乗っても割れないほど頑丈なので、キリと小さな金槌を使って穴を開けます。
(標本作りセット)
(割れないように加減しながら叩きます)
そして開けた穴から注射器で空気を入れていき、空気圧で卵の中身を出していきます。中身を出し切ったら何度か水を入れてすすぎ、最後は消毒液を入れて殺菌して乾かします。
(空気を入れると中身が吹き出します)
卵の中身は基本的に廃棄していますが、以前から勿体無いと感じていたのと臨時休園中は新鮮な卵もどんどん中身を抜いていたので、飼料担当にお願いして餌として利用できるか試してもらいました。その様子はそのうち飼料担当がブログで紹介してくれると思うのでご期待ください。
こうして作製した卵殻標本は当園が行っている出張授業などの教育プログラムで教材として利用しています。また、管理事務所の入り口には他の鳥の卵殻標本と並べて展示してあるので、様々な鳥の卵と見比べて大きさを実感してみてください。
(管理事務所入り口の卵殻標本)
(飼育展示係 岡﨑)