野毛山動物園公式サイト

twitter facebook youtube
卵...?の写真

更新日:2020.06.18卵...?

更新日:2020.06.18

卵...?

最近ダチョウのブログばかり更新していたので、久しぶりにフラミンゴの近況をお知らせします。以前ブログでも紹介したように繁殖の再開に向けてチャレンジしているフラミンゴですが、巣の上を見るとこんな物が...

P5131082.jpg
(巣の上にある楕円の物体)

まさか卵!?と思ってしまいますが、実はこれは擬卵(ぎらん)という卵の模型です。擬卵は飼育している鳥の産卵数をコントロールするために使うのですが、集団で繁殖する種類では群れの中で産卵の時期を揃えることで雛の生存率を上げようとするため、今年は擬卵を設置することでフラミンゴの繁殖意欲を刺激してみることにしました。本格的に作る場合は石膏で型枠を作ってから樹脂を流し込むのですが、今回は簡易的に樹脂粘土で作ったものを利用しました。

P4131050.jpg
(樹脂粘土で作製した擬卵)

最初は巣の上や周辺に置いてみたところ、突いて巣から落としたり擬卵の周辺を気にするなど強い興味を示す様子が見られました。

P4131051.jpg
(擬卵を設置した営巣地)

ところが、「良い反応が見られたぞ!」と期待を高めながら見守っていたある日のこと、忽然と擬卵が全て消失しました。しかたなく新しい擬卵を置きましたがこちらもその日のうちに無くなってしまいました。どうやら園内によくいるハシブトガラスが擬卵を餌と間違えて、一度手軽に持ち去れたので味を占めて狙うようになったようです。
そこで擬卵に枝の切れ端を結んだ紐を埋め込み、枝をアンカー代わりに巣の中に埋めるようにしてみました。こうするとカラスも簡単には持ち去れないようで、それ以降は擬卵が消失することは無くなりました。

P5131080.jpg
(細工した擬卵)

担当者がカラスと知恵比べをしている間もフラミンゴたちは盛んにディスプレイ行動をしたり巣を気にしながら暮らしています。時折交尾をしようとするペアも見られますが、メスがまだ乗り気じゃないのか離れてしまうことが多く、なかなか成功していません。
フラミンゴの産卵は5月~6月が一番多いようなので、見守り期間は続きそうです。

(飼育展示係 岡﨑)