更新日:2025.11.02【獣医ブログ】あなたの血はどこから?①
【獣医ブログ】あなたの血はどこから?①
皆さんこんにちは!
病院担当です。
今回は動物たちの「採血」についてご紹介します。
※採血中の写真が出てくるので、苦手な方はご注意ください。
血液検査は、動物の全身状態を把握したり、治療の効果を調べたりするために重要な検査です。
血液は、見た目では分からない様々な情報を教えてくれます。
皆さんも健康診断などで採血をされた経験があるかと思います。
人間の場合は、腕の血管から採血することが多いですが、動物はどこから採血するのでしょうか?
今回は、ズーラシアで飼育している様々な哺乳類の採血について少しご紹介します。
まずはこちら!傷病鳥獣として保護されたホンドタヌキです。

前肢の血管から採血しています。
タヌキの場合、前肢や後肢、内股、首など様々な血管から血を採取することができます。
この写真の撮影時は他の検査も同時に行ったため麻酔をかけていますが、タヌキは麻酔をかけずに保定下でも採血することが可能な動物です。
続いてはこちら!

アカアシドゥクラングールの内股の血管から採血しています。
腕の血管から採取することもありますが、内股は血管が逃げづらく採血しやすいため、保定可能なサイズのサルはこの方法で採血を行っています。
続いてはこちら!

ヒガシクロサイです。
以前のブログでもご紹介したことがありますが、前肢の指の付け根あたりの血管から採血しています。
サイは他にも耳の血管などから採血可能ですが、ズーラシアでは前肢から採血しています。
体重が大きく、麻酔や保定が容易ではない動物なので、ハズバンダリートレーニングで採血を実施します。
(以前のブログはこちら:「サイのサイ血してくだサイ」)
クロサイのように、動物園には保定が難しい動物がたくさんいます。
そのような動物の一部はトレーニングで採血を行っています。



少し分かりづらい写真ですが、上から順に、ホッキョクグマ、ミナミアフリカオットセイ、アムールヒョウのトレーニング風景です。
ホッキョクグマは前肢(指の付け根)、オットセイは尾ヒレ、アムールヒョウは尻尾から採血しています。
麻酔下では他の血管からも採血可能ですが、トレーニングではアプローチできる部位が限られているため、動物種に応じて決まった部位から採血を行っています。
いかがでしたか?
長くなりすぎてしまうので、また次回のブログで続きをご紹介します。
次回は鳥類や爬虫類の採血についてもご紹介!
お楽しみに~!
☆病院班☆