
更新日:2025.09.06オオタカ初めてのマイホームづくり🏠①
オオタカ初めてのマイホームづくり🏠①
動物病院では保護個体のオオタカ2羽を飼育しています。
いずれも怪我等により野生復帰が困難な個体のため、10年以上動物病院で暮らしています。
とても神経質な個体で人が近づくとバタつくので、非公開施設で飼育してきました。近年、設備の老朽化が目立ってきたので、少しずつ飼育環境の改善に取り組むことにしました。
その結果、これまで見られなかった「営巣行動」と「巣内での産卵」が見られるようになったので、3回にわけてその様子をお伝えします。(今年の繁殖期の話なので、6月ごろのお話です!)
初回はどのような環境改善に取り組んだのか紹介します!!
改善①寝台・巣台の設置
止まり木以外の休憩場所として、すのこで作った寝台を設置しました。また、そのわきに巣の代わりとして、ザルを設置してみました。
すると今年度、春ごろから写真のようにザルの中に入る様子が観察されるようになりました。
改善②目隠しの設置
次に、人の視線をとても気にする個体なので、寝台の周辺に目隠しを設置しました。この改善により、人に驚いてバタつく時間が少なくなりました。
隙間からちらっとのぞき込むと...、ジーっとこちらを見つめて、確認しに来ます。
改善③枝を入れてみる
改善①と②の結果、行動に明らかな変化が見られ、ザルや寝台をつつく・いじる等の行動が観察されるようになりました。「もしかすると巣を作りたいのでは?」と考え、試しに大小様々な木の枝を入れてみました。
↑初日の様子。
その後少しずつ増量しました。
すると、翌日から枝を気にし始め、枝をいじる様子が観察されるようになりました。
↑枝を持っているオオタカ。
今回は3つの飼育環境改善についてお話しました。
その後、オオタカたちの様子にどのような変化があったのでしょうか...!?
次回は「営巣の様子」を紹介したいと思います!
傷病動物担当 尾形
(横浜の動物園での取組みはこちら:「傷病鳥獣保護の取組み」)