野毛山動物園公式サイト

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更新日:2025.12.20

コンドル その2

前回は僕が好きな看板及びコンドル舎建設についてお話しました。

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写真は1972年のコンドル舎

60年以上前からあるコンドル舎、いままで、何度も修繕を繰り返してきたため今日まで大きな破損や崩落は見られてきませんでしたが、建築年数的に今後どうなるか分からないので、そろそろ建屋自体もお休みしていいんじゃないかなと思っていたりします。

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さて、野毛山のコンドルたちについて、今回は繁殖について調べてみました。野毛山動物園が繁殖に取り組んでいた当時は世界的に見てもコンドルの繁殖例はありませんでしたが、擬岩で岩山を作ったり、巣材を工夫するなどの試行錯誤を重ねた結果、昭和45年に初めての産卵が見られ、昭和47年には自然繁殖(親鳥による孵化・育成)として世界で初めての繁殖に成功したのです。人工孵化ではオランダのアルティス動物園に1年ほど先を越されたものの、この時のデータは、その後、アメリカのサンディエゴ動物園、ロサンゼルス動物園での絶滅危惧種カリフォルニアコンドルの繁殖成功にも寄与したと言われています。(ZOOよこはま№116より抜粋)

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繁殖を見据えて飼育施設をつくることは簡単そうにみえて、なかなか難しく僕はそのような施設をつくることが出来るのだろうかと考えてしまいます。

繁殖については昭和46年に1羽孵化した記録がありましたが残念ながら5日令で死亡したようです。その翌年の昭和47年に繁殖した個体は自然育雛にて成育しこの個体は(公社)日本動物園水族館協会が制定していた繁殖賞(自然)を昭和48年に受賞しました。

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人工育雛においても昭和54年に孵化した個体が昭和55年に繁殖賞(人工)を受賞しました。繁殖賞の自然および人工のどちらも取得していることは、先人の高い繁殖技術が伺いしれます。昔、野毛山動物園にいた古い水夫に今はパソコンがあってなんでもすぐ調べられるし、人工乳や人工飼料もたくさんあるから楽になっていいなと言われたことを思い出します。今でこそ、スマホで調べれば、すぐに色々なことが簡単にわかりますし、人工乳や人工飼料がコンビニでも手に入る時代です。先人たちはきっとたくさんの失敗を経て飼育技術を磨いていったことでしょう。僕は、先人たちの飼育技術、経験、感性には遠く及びませんが、今できることをしっかりとまずはコンドルたちを無事に送り出せるように努めていきたいと思います。

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飼育展示係 大滝