更新日:2015.11.22ホシハジロって知ってる?
更新日:2015.11.22
ホシハジロって知ってる?
先日、こんな鳥が保護されてきました。

ホシハジロのオスです。
外傷などは特に見られないものの、削痩(非常に痩せている)している個体だったので、カモとは言えども餌が食べられずに(カモは基本水草などの植物食です)痩せてしまったことで、衰弱したのかと動物病院で餌を与えていました。

先日体重測定と健康状態などを確認したところ、体重も増え、肉付きが良くなっていました。
全身の羽毛の状態の確認をした際に翼を広げたのですが、多く保護されてくるカルガモと比較し体の大きさに対して翼の大きさが小さいなあ…と感じました。
オオハクチョウは体の大きさに対して翼が小さすぎるため、小鳥やカルガモのようにパッと飛び立つことができません。

そのため、飛ぶ際には水面を蹴りながら走り、助走をつけて飛び上がるのです。
もしかして、ホシハジロも滑走しないと飛べないの?と、気になり…
調べてみたところ、ホシハジロは滑走して飛ぶタイプのカモだということが判明!
ホシハジロは潜水型のカモなので、天敵に襲われそうになった場合、すぐに飛び立つよりも、水の中に素早く潜って身を隠す、という生き方を選んだのでしょうね。
そんなことを考えながらホシハジロを見ていたところ、驚いたのかすごいスピードで慌てながら潜水していたのも確認できました。(びっくりさせてごめんね…)
潜水型のカモのため、足の位置がやや後ろについている…とのことでした。


大池にも飛来するカルガモと比較してどうでしょうか?


(非常にわかりにくい写真ですみません…)
お~なるほど…
つまり、冬の渡りで日本に無事来れたものの、水のない場所に不時着してしまい、どうにも飛び立つことができずに保護された…という経緯が考えられました。
果たしてこの推理が正しいのか否かは、ホシハジロのみぞ知る…と、いったところですが、担当者としては保護された理由や放野できる見込みがあるのかどうかがわかり、そして点と点がつながったようで、非常にスッキリ!した件でした。(笑)
冬にはるばる日本にやってくるホシハジロ。
徐々にその姿をみる機会が増えてくるかと思いますので、見かけた際には水面を滑走しているかどうか、潜水しているか、ぜひぜひ確認してみてください!

同じカモでもこんなに違うなんて…動物って、鳥って面白いですね~と、改めて思った担当者なのでした。(^o^)♪
後日、ホシハジロは無事に放野することができました!


長旅お疲れ様でした。日本の冬も乗り越えて、また元気に飛んで行ってね!
飼育展示係 矢口