更新日:2017.10.06次の春まで、しばしお待ちを
次の春まで、しばしお待ちを
野毛山動物園の影の人気者?インドクジャク。
来園者の方からよく「クジャクはどこですか?」とか「クジャク、いなくなっちゃったのでしょうか?」と聞かれます。
ご心配なく。現在はキジ舎で、有色と白色2種類のインドクジャクを展示しています。
(他のクジャクも非公開の獣舎で元気にしています!)
インドクジャクといえば、オスにだけあるこの羽が有名です。
何とも言えぬ、青のグラデーション。まさに自然美です。
もちろん単色の白の羽も大変美しいです。
この羽は『上尾筒(じょうびとう)』というもので、「尾」という字が入っていますが、実際は尾羽ではなく、腰の部分から生えた羽なのです。
実はこの羽、1年中みられるものではありません。
インドクジャクの繁殖期である3月~7月くらいの時期には生えていますが、繁殖期が過ぎるとすべて抜け落ちてしまいます。
このように抜け落ちるとメスと同じような体つきに戻り、次の春に再び生えてきます。
みなさんがよく目にする羽を広げたこの姿。
オスがメスに対する求愛行動のひとつで、上尾筒を広げ、小刻みに羽を震わせて、オスがメスにアピールしている姿(ディスプレイ)なのです。
つまり、繁殖期だけの『期間限定』というわけです。
10月に入り、野毛山にも秋風が吹きだしたこの時期、インドクジャクの恋の季節はすでに終わり、オスもメスも『食欲の秋!』というモードになっています。
ということで、この時期、インドクジャクの展示場の前で「羽広げて~」とか「私には求愛してくれないの?」とオスに話しかけ、ディスプレイのマネをしてくれているお客様を目にするのですが、この場を借りて、オスクジャクたちの心の叫びを飼育担当者が代弁いたします。
「どんなに魅力的な方々にも、この時期は広げる上尾筒がございませんので、ご了承ください。次の春まで、しばしお待ちを。」
春が待ち遠しいですね。
飼育展示係 大谷