更新日:2023.05.11アカエリマキキツネザルの赤ちゃんこぼれ話
アカエリマキキツネザルの赤ちゃんこぼれ話
さて、今でこそヒーター付のぽかぽか巣箱を利用している「オカアサン」ですが...
実は、巣箱以外の場所で出産していたのです。
外から見てここ、不自然な板がついているのわかりますか?
もしかしたら、頻繁にご来園いただいているお客様でお気づきになった方がいらっしゃったかもしれませんが、
実はここで出産しました。
中から見ると...。
箱でもなければ屋根もない...。ただの巣箱と巣箱の間です。
え!?そこ?まぁでも、次の日は雨だから移動してくれるだろうと思ったのですが、
ここで子育てするんだ!と決め込んだようで移動せず...。
そっとプラスチック段ボールで簡易屋根が付けられました...。
赤ちゃんが転がり落ちないように材木の端切れも淵に付けました。
一時しのぎの急ごしらえです。
でもここは他の若い個体たちに覗かれることも少なく、安心して子育てできるのかもしれません。
そして、オカアサンは実に半月もの間ここで子育てしたのです。
子どもたちは実は三つ子でした。でも、1頭は1週間ほどでお別れとなりました。
ですが、残された2頭はすくすく成長しています。
2頭はとても見分けが付きやすいです。
ちょっと顔に白い差し毛の多めの子と、顔の真っ黒い子。
成長過程でどんどん変わると思いますが、今はこの見分け方が一番わかりやすいです。
そして、キツネザルの仲間は本当に成長速度が本当に早い!
生後10日目には果物類をペロペロ舐めていました。
先にお別れした子の分まできっと大きく成長してくれることでしょう。
そういえば、チンパンジーの「コハル」がニンジンを舐めたのが4~5か月頃だったようなので、
この2種類の子どもたちの成長を見比べてみるのも面白いかもしれません。
「サルのなかま」といっても、本当に多岐にわたっているので、不思議ですよね!
ちなみに、野毛山動物園ではアカエリマキキツネザル舎付近には、
アフリカに棲む狭鼻猿類(旧世界ザル)のアビシニアコロブス、
南米に棲む広鼻猿類(新世界ザル)のフサオマキザルも飼育していますので、
たくさん見比べてみてくださいね。
さて、現在の巣箱に落ち着いて、間もなく生後1か月。
どんどん大きくなる子どもたちは、もうすぐ巣箱の外への冒険が始まるかもしれません。
飼育展示係 山田