更新日:2022.03.31突然のお別れ
突然のお別れ
みなさんこんにちは。
いつも当園のレッサーパンダを応援して頂き、ありがとうございます。
本来であれば"野毛山レッサーパンダヒストリー④(最終回)"を投稿する予定でしたが、その前にご報告をさせて頂きます。
先のリリースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、3月26日にオスの賢健(ケンケン)が死亡しました。15歳でした。
3月24日の朝、体調不良を認めたため展示をお休みし、園内の動物病院で検査を行ったあと入院という形で保温と栄養剤の点滴をしながら静養していましたが、26日の朝職員が出勤するとすでに死亡していました。
近年足腰の虚弱化は進んではいましたが、展示場改修後も賢健なりに活発に行動し、果敢にも2段目へ上がったり、見ている側をハラハラさせながらも本人は行ってみたければ行くというチャレンジ(?)する姿も見せてくれていました。
12月半ば頃、目に見えて体力の低下を感じたため、寝室を改装したり、餌の量や回数を見直し体重の増加を図り、天候によっては展示をお休みさせて頂いたり、負担の少ない生活を心がけていました。暖かくなってきたため、夏が来るまでの短いけれど過ごしやすい季節をのんびり過ごしてほしいと思っていました。また夏が来れば寝室で過ごす時間が長くなるので、今年はどうしようかなあと考えていたところでした。
動物園では、死因を究明するために、動物が死亡すると必ず解剖を行います。
賢健の体の中は、年老いて見える見た目から想像していたのに反しとってもきれいで、どこが特別悪かったという診断は出ず、解剖の結果、死因は老衰とのことでした。
最近では長生きするレッサーパンダが増えているため、「まだ15歳なのに」と思われる方もいらっしゃると思いますが、レッサーパンダの15歳は高齢と言えます。
苦しんだ様子も見られず、2日間眠るように旅立てたことはせめてもの救いかもしれません。しかも、25日の午後には、のどが渇いているかもと、リンゴをジュースにして獣医が差し出したところおいしそうに飲んだのです。そのあとも口の周りをペロペロとする様子もあり、獣医と「夢の中でリンゴジュース飲んでいるのかな?」と話したりしていました。(誤嚥を防ぐため、固形で与えることはできず、ジュースで与えた量も少量です。)
賢健は約9年3カ月、野毛山動物園で暮らしました。その間にたくさんのお客様にかわいがって頂きました。
賢健にこれからも会えることを楽しみにして下さっていた皆様には、そのお気持ちにこたえることができなくなり大変心苦しく思っています。ですが、どうか私たちと一緒に穏やかな気持ちを天国の賢健に送って頂けたら幸いです。
これまで本当にありがとうございました。
飼育展示係 永井