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コロブスのここ、見たことある?の写真

更新日:2025.09.24コロブスのここ、見たことある?

更新日:2025.09.24

コロブスのここ、見たことある?

みなさん、アビシニアコロブスをじっくり観察したことはありますか?

白黒の体毛になが~い尻尾が特徴のコロブス。

実はその他にも、おもしろい特徴がある動物なんです。

  

まずはこちら。

セクシーポーズでくつろぐアズキ(メス)です。

①お尻1.jpg

 

コロブスのお尻ってどんな風になっていると思いますか?

  

見てみましょう。

②お尻2.jpeg

 

なんだか不思議な形状をしていますよね。

この硬そうな部分は「尻だこ」といって、皮膚が角質化して硬くなったものです。

不安定な木の上で休む時に安定して座ることができたり、硬い場所に座る時にもクッションのように役に立ちます。

コロブス以外にも、ニホンザルなど様々なサルに生まれつき備わっている身体の特徴です。

 

続いてはこちら。

大好物の蒸イモをおねだりするソラマメ(オス)です。

③前肢1.jpg

 

コロブスの名前の由来にもなっている前肢の指...。

何本あると思いますか?

  

正解はこちら。

④前肢2.jpg

 

答えは4本です。

「コロブス」という名前は、ギリシア語で「欠落した・切断されたもの」を意味する言葉が由来となっています。

その名の通り、親指は退化していますね。

なぜ親指が退化したのかは正確にはわかっていません。

ひとつの説として、木から木へ飛び移る際に指をフックのように引っ掛けて枝をつかむため、邪魔にならない形に変化したのではと考えられています。

 

ただし、親指は「完全にない」というよりは、「痕跡的に小さくなっている」と表現するのが正確です。

コロブスの前肢の骨格を見てみましょう。

⑤前肢の骨格標本.jpg

 

小さいながらも、親指の付け根の骨は今でも存在しています。

例えばモルモットも、ぱっと見では尻尾はありませんが、お尻のあたりをよ~く触ると尻尾の名残の骨があるのがわかります。

(興味のある方は、ぜひふれあいプログラムにて実際に触って確かめてみてください)

なお、当園のコロブスは2頭とも親指部分が完全にありませんが、個体によってはイボぐらいの大きさの、非常に短い親指があったりもするそうです。

このコロブスの骨格標本は管理事務所入り口でいつでもご覧いただけますので、興味があれば覗いてみてください。

  

ちなみに、後肢の指は5本あります。

指紋もくっきりみえますね。

ついでですが、モノを掴む際の滑り止めとして機能するため、ヒトだけでなくサル類も指紋がよく発達しています。

⑥後肢.jpg

 

以上、アビシニアコロブスの身体の特徴についてご紹介でした。

  

【おまけ】屋上から撮影したアズキ

コロブスがいつも見ている景色はこんな感じです。

⑦屋上から撮ったアズキ.jpg

 

飼育展示係 小島