更新日:2024.03.19モルに渡す例のブツ その2
モルに渡す例のブツ その2
前回に引き続き、今回もあやしいクスリについてご紹介します。
なかよし広場から、例のブツが欲しいと無線が入るとさっそく薬品庫で一人作業にとりかかります。
この大量のなんともあやしげな白い粉を使っていきます。
そして重さを測っていきます。
続いて別の白い粉の重さを測ります。
あとは袋に空気をいれてひたすらにシャカシャカと振り、二つの粉を混ぜ合わせます。
沢山出来ました。ビニールに入った大小の白い粉...うーん、よりいっそうあやしさが増します。
ではこの白い粉の正体はいったい何なのかというと...
以前もご紹介した通り、野毛山動物園とその分園の万騎が原ちびっこ動物園にはモルモットが沢山います。
モルモットはL-グルノラクトンオキシダーゼを欠くため、ビタミンCを体内で作ることが出来ません。
われわれ人間や、一部の霊長類、コウモリなども同様に実は体内で作れません。
モルモットでは、ビタミンCが欠乏することによって眼科疾患や難産、
不正咬合等さまざまな疾患が引き起こされます。
このような疾患を防ぐためにも、食餌からのビタミンCの摂取は必要不可欠です。
給餌している野菜やモルモット用ペレットにもビタミンCは入っていますが、確実に摂取してもらうため、
野毛山動物園と万騎が原ちびっこ動物園ではビタミンCの粉末を添加しています。
しかしビタミンCの粉をそのまま摂取するとすっぱくて大変ですし、量が少なく群れ全体に行きわたりません。
実際にわたしもビタミンCの粉末を鼻から吸って、むせて涙が出たこともしばしば...
よって、バレイショデンプンでかさを増し、群れ全体に処方しやすくしています。
ということであやしい白い粉の正体は、バレイショデンプンとビタミンCの粉末でした!!!
このようにキャベツ等にまぶして与えています。
モルモットにビタミンCはとっても重要ということが少しでも分かっていただけたら嬉しいです!!!
動物の写真が無いので最後は前回に引き続きかわいい志々雄くんの写真でお別れです。
飼育展示係 真砂