更新日:2026.06.13イモムシ活動記3
イモムシ活動記3
皆さまこんにちは!
今年も、楽しいイモムシの季節がやってきました🐛
早速、イモムシを育ててみたので、今年もイモムシ活動記を更新していきたいと思います。
(過去のブログはこちら: イモムシ活動記、イモムシ活動記2)
※イモムシの写真が出てきます、苦手な方はそっとこのブログを閉じてください...。でもできれば、このブログを読んでイモムシの魅力に気付いていただけたら嬉しいです😊
今季初めてのイモムシ活動記は、チンパンジーに与えるシラカシの枝を採った後に、私の腕に付いていたこちらのイモムシを紹介したいと思います。

正面から見ると、頭部には2つのこぶがあり、まるでウサギの耳のようです。背中の中央にも2つのこぶがありました。

シラカシを採っていた時に木から落ちてきたのだと思われたので、シラカシの葉を給与してみましたが、全く食べている様子が見られない...。

木の枝に姿が似ていることからエダシャクの仲間であることは分かりましたが、この時点でははっきりと何の種類のイモムシかわかりませんでした。まずは似た種を調べておおよその種の同定を行い、その種のイモムシが食べるものを調べていきました。さらに、採取したシラカシのそばに生えていた木から移動してきたことも考え、食べそうなものを検討していきました。
コナラ、サクラ、ミズキ...。といろいろあげてみた結果、ミズキの葉をよく食べることが分かりました。餌がしっかりと把握できたのでほっとしました。
食べられた形跡のあるミズキの葉

私がイモムシの行動の中でも特に好きなのが、葉っぱを食べる様子です。むしゃむしゃと気持ちいいくらいに食べ進めていく姿がとっても癒されるのです。今回のイモムシも、どんなふうに食べるのか楽しみにいていたのですが...。
一向に動く気配がない!!!いつ見ても、ずっと同じ姿勢で同じ場所にくっついているだけ...。
動かない...。

動かない...。

生きている?と心配になるほど。
とにかく動かない!!

でも翌日の朝に様子を見ると、ミズキの葉は食べられた跡があるし、ちゃんと糞も出ています。
エダシャクの仲間は、先ほどもお伝えしたように枝に似た姿をしていて、ピンとした姿勢を保ったまま動かないことで木の枝に擬態して、鳥などの天敵をやり過ごしています。(上の3枚の写真からも、枝に似ている様子がよくわかると思います!)
鳥などの天敵の目に付きやすい昼間は活動せずに木の枝になりすまし、夜間に採食などの行動を始める夜行性のイモムシなのかもしれません。
というわけで、とうとうこのイモムシが動くところをほとんど見ないまま、見つけてから23日後には蛹になりました。
このイモムシは地面に潜って蛹になる種類のようです。最終脱皮後の殻をそばに残したまま、虫かごの下で濃い茶色の蛹が転がっていました。

あとは羽化するのを待つのみ!蛹になってから約2週間後、ちょっと地味な色合いの蛾が出てきました。

さて、気になるのはこのイモムシが何の種類だったのか、というところです。
調べてみたところ、ウスバミスジエダシャクか、オオバナミガタエダシャクのどちらかであることが分かりました。ただ、この2種はとってもよく似ていて、翅(はね)の模様などの違いによる識別点はいくつかあるものの、素人目でははっきりとこっちの種類だ!と断言することができませんでした。
種類を特定することはできなかったものの、みな同じように見えてしまう蛾にも、こんなに細かい識別点があるんだなぁと、さらにイモムシや蛾の魅力に引き込まれていく体験でした。
これからの季節、たくさんの昆虫に出会う機会に恵まれます。「げ、虫だ、気持ち悪い!」とは思わずに、遠目からでも少し観察してみると面白い発見や楽しい体験ができるかもしれません。皆さまもぜひ、昆虫に興味を持って観察していただけたら幸いです。
飼育展示係 田中