
更新日:2020.09.20国際レッサーパンダデー♪~ブログDE特別ガイド・衣食住編~
国際レッサーパンダデー♪~ブログDE特別ガイド・衣食住編~
みなさんこんにちは。
特別ブログ2日目です。1日目の体のつくり編はこちら。
今回は、レッサーパンダの衣食住についてお話します。
では早速。
<衣>
レッサーパンダは、一見ふわふわに見える毛で覆われています。実際の触り心地は、ネコよりもイヌに近いように思います。わかる方は想像してみてください。
夏毛
冬毛野生では、中国やネパールなどの標高1500~4000mの森林で暮らしています。冬は雪に覆われた厳しい環境となるため、冬毛は特に密になります。夏のおわりのこの季節、すでにレッサーパンダたちは冬支度を始めています。これからレッサーパンダたちがもこもこになっていく様子にも注目してみてください。
<食>
主食は竹の葉です。
しかし、野生では、昆虫や果実なども食べており、動物園でも竹だけでは栄養不足になってしまいます。そこで、補助食として、ペレット(固形飼料)とリンゴなどの果物や野菜を一口サイズに刻んだものを与えています。
しかし、担当者は見てしまいました。ララの秘密の姿を!
ある夏の朝。
展示場に出ていくララの目の前に弱ったセミが落ちてきました。するとララは、今まで見たことのない素早さでバシッとセミを捕まえ、迷うことなくムシャッ!
ムシャムシャムシャ...
ああ、口からセミの羽が見えている...!!
「あーおいしかった」のような表情を見せ、
スタスタと展示場へ向かっていきました。
まさかの天然のエンリッチメント!!
ちなみに、このようなワイルド嗜好を示すのは担当者が知る限りでは、ズーラシアではララだけです。
<住>
レッサーパンダたちが日中過ごす展示場や、夜間やお休みの日に過ごす寝室も、レッサーパンダの暮らしに合わせた工夫があります。
以下の写真から、どんな工夫があるか考えてみてください。
●大展示場・大小様々な木がある・地面が土、草である・岩場がある・雨や暑さをしのぐ小屋(冷房付き)がある・足場がある...など
●小展示場・エアコンがある・休息のための洞(台)がある・餌の竹を生えている形で置ける入れ物がある・地面は土、草・自然光が入る(夏場はすだれを付け、遮熱します)・外と中の出入りが自由...など
●寝室・サブパドック・1頭1室(単独生活する動物であるため)・高低差のある作り・外と中で出入り自由・(写真には写っていませんが)エアコン完備・巣箱がある・寝台がある...など
いかがでしたか?二日にわたってお送りしました「ブログDE特別ガイド」。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
レッサーパンダは、日本では多くの動物園で飼育され、珍しくない動物と思われている方も多いかもしれません。しかし、野生では生息地の破壊や密猟などの理由で、絶滅危惧種に指定されています。今のままでは数十年後には絶滅してしまうかもしれないのです。レッサーパンダを守るために「生息地での保全活動」と「動物園での活動」がこれからも重要となってきます。ぜひそんな現状も知っていただければと思います。
もっともっといろいろ知りたい方は、ご自身で調べてみたり、飼育員に質問してみてくださいね!
ズーラシアのレッサーパンダたちも皆様のご来園をお待ちしております!
飼育展示係 永井