
更新日:2020.09.19国際レッサーパンダデー♪~ブログDE特別ガイド・体のつくり編~
国際レッサーパンダデー♪~ブログDE特別ガイド・体のつくり編~
皆さん、こんにちは。毎年9月第3土曜日は、国際レッサーパンダの日です。ご存知ですか?国際レッサーパンダの日とは、レッサーパンダの保全活動を行っている団体「Red Panda Network」によって、レッサーパンダの魅力や野生での現状をより多くの方に知っていただくための日として定められました。毎年、世界中の多くの動物園でイベントが行われます。
例年ズーラシアでも、特別ガイドや、子どもレッサーパンダ教室などのイベントを行ってきました。しかし、今年はこの状況下...
そこで、今年は特別に2日連続で、ブログDE特別ガイドを行います!!
今回のテーマは、「体のつくり」です。
まずは、当園のレッサーパンダたちをご紹介します。
ララ:2004年6月29生まれ(16歳)、メスつぶらな瞳がキュートなおばあちゃん。
イチゴ:2012年7月28日生まれ(8歳)、メスリンゴが大好きすぎるオトナ女子。
まめたろう:2016年6月24日生まれ(4歳)、オスリンゴが大好きすぎるがイチゴの勢いには敵わない年下男子。
さて、上の写真は皆、片手(前肢)にリンゴを握っています。
ヒトは、手に物を持つということは特に不思議なことではありません。しかし、動物は、物を持てる動物と持てない動物がいます。身近な動物で言えば、イヌやネコは物を持てません。動物の仲間分けをすると、レッサーパンダは、イヌやネコと同じ食肉目に分類されます。では、なぜ、レッサーパンダは物が持てるのでしょうか?
実は、レッサーパンダの前肢には第6の指と呼ばれる骨の突起(発達した種子骨)があるのです!
画像はレッサーパンダの左前肢を横から見たものです。
赤い矢印が親指側の付け根にある「橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)」です。青い矢印は、小指側にある「副手根骨(ふくしゅこんこつ)」といいます。こちらも発達していて、両方の骨が受け皿になり、他の5本指と合わせることで「物を握る」ことができるのです。レッサーパンダが物を握る姿は、上のまめたろうの写真がとてもわかりやすく写っています。
主食の竹を食べるときも、このように前肢を使います。
続きまして、こちらの画像は、レッサーパンダの体の特徴がとてもよくわかります。
①赤茶色の背中
②真っ黒なおなか・肢
③白くて大きな耳
④しましまふさふさの長いしっぽ
⑤5本指、するどい爪
⑥かかとをついて歩く(蹠行性(しょこうせい))
⑤について、さらによくわかる写真がコチラです。肢の裏はぷにぷにの肉球!ではなく、ふわふわの毛がびっしり生えています。雪の積もる山林での暮らしに適応したと考えられています。
最後に歯を見てみましょう。主食は竹ですが、上でも書いた通りイヌやネコと同じ食肉目。つまり、肉を食べる動物の仲間です。そのため、まるで肉食獣のように鋭い犬歯を持ちます。しかし、臼歯は「裂肉歯」と呼ばれるナイフのようなとがった歯をもつ肉食獣とは異なり、竹の葉を噛みつぶすために平たい形となっています。
ちなみにこちらはアムールヒョウ・ダッシュの歯です。迫力がちがいますね。(奥歯まで写すことが難しく、これが限界でしたが、奥の方の歯もとがっていることがお分かりいただけますか?)
おまけ
体は軟らかいようです。かなりねじれます。
後半はまめたろうの写真ばかりになってしまいました。
さて、レッサーパンダのレッサーパンダらしさ、お分かりいただけましたでしょうか?
それでは、明日は~特別ブログ・衣食住編~です。お楽しみに♪
飼育展示係 永井