
更新日:2019.11.27羽根の違い
羽根の違い
最近一気に気温が下がり、衣替えをした人もいるかと思います。動物も季節の変わり目になると毛や羽根が生え換わるのですが、フラミンゴとダチョウもだいぶ羽根が生え換わりました。綺麗な状態で見つけた羽根はガイドやイベントで資料として利用できるので、回収して洗ってから保存しています。
せっかく飛ぶ鳥と飛ばない鳥両方の羽根が手に入ったので、この機会に羽根の構造を見比べてみました。
まずは飛ぶ鳥であるフラミンゴの羽根です。こちらはチリーフラミンゴの翼に生えている風切羽です。風切羽には初列風切と次列風切、三列風切という種類があるのですが、今回拾った羽根は次列風切でした。
【チリーフラミンゴ】
(丸く囲んだ部分が次列風切)
(まるでカラスのように黒いのが特徴的です)
(拡大図)
拡大図を見ると細かい毛がぴったりとくっついているのがわかると思います。
鳥の羽根は中心の羽軸(うじく)から羽枝(うし)という細かい毛が生えているのですが、飛べる鳥の羽根は羽枝に生える小羽枝(しょううし)というさらに細かい毛がフック状になっているので、羽枝同士が密着して一つの面になっています。こうすることで羽根に受ける揚力(ようりょく)を増やし、空を飛びやすいようになっています。
続いて飛ばない鳥であるダチョウの羽根を見てみましょう。今回は胴体に生えている羽根が落ちていました。
【ダチョウ】
(ダチョウの羽根)
(拡大図)
フラミンゴの羽根と違って羽枝がバラバラなのがわかりますか?
ダチョウの羽根は小羽枝がフック状になっていないので、羽枝が密着しません。そのため飛ぶ鳥の羽根と違い揚力をあまり受けません。ちなみにダチョウの羽根は静電気を帯びないため、車や電子機器用のホコリ取りに使われています。
飛ぶ鳥と飛ばない鳥では体の構造に違いがたくさんあるのですが、羽根の違いは外見でわかるので実感しやすいと思います。毎週水曜日と金曜日に実施しているダチョウのお食事ガイドの際に本物の羽根をお見せしているので、興味がある方はぜひいらしてみてください。
飼育展示係 岡﨑