更新日:2019.07.07くちばしの能力
更新日:2019.07.07
くちばしの能力
今年は傷病鳥獣の保護でトビのヒナがやってきました。これまでブログにも何度か登場しました。
猛禽類のヒナは種類によってエサに特徴があるので飼育は容易ではないのですが、トビはいろいろなものを食べるので選択肢が多くて助かります。このヒナが小さい頃には飲み込める大きさのぶつ切りにした肉や魚を与えましたが、魚が好きで最初に食べるのをよく見ました。ちなみに、飲み込んだ骨やヒレなどの固くて消化しにくい部分は「ペリット」という塊にして吐き出します。
そんなヒナも成長してトビらしくなってきました。
▲このときのエサは馬肉、アジ、鶏頭。猛禽に必要なビタミンをバランスよく含むビタミン剤もかけてあります。
大きなエサをあえてそのまま与えて、足とくちばしを使って自らちぎって食べるという行動ができるようにしていますが、トビは大きなものを飲み込むのが得意なのである程度の大きさだとガバっと飲みこんでしまいます。
しかし、ある朝、食べ残しを回収していると、
アジの背骨が残っています(まだちょっと肉もついていますが)。丸のみするような鳥が背骨だけ残すとは意外とマメなことをするものだ、と感心していると
別の場所には鰓(えら)と鰓蓋(えらぶた)の硬いところがきれいに残されています。この周囲の皮や薄い肉質のやわらかいところは食べたようです。くちばしと足で細かい作業をする器用さとこれだけ細かく分けて食べる気力ときれいに残して並べている映え画に感心至極でした。
[桐] (飼育展示係)