更新日:2022.11.18【しましま便り】展示場に出る練習を始めました。
【しましま便り】展示場に出る練習を始めました。
生後3日を過ぎた頃から寝室でも走るようになった赤ちゃん(2022年11月2日撮影)。
シマウマのような草食獣は生まれてすぐに立ち上がり、歩き、走れるようになります。
「ココロ」も出産から3日目からは展示場に出たがり、
体調管理のためにも外で運動することは大切と展示場に出る練習を開始することにしました。
(扉を開けてほしい「ココロ」 / 2022年11月4日撮影)
11月7日の休園日、赤ちゃんの展示練習を開始しました。
展示場への扉を開けると、久しぶりの展示場に「ココロ」は警戒しながら出ていきました。
赤ちゃんも初めての場所になかなか一歩踏み出せない様子でしたが、
勇気を出して「ココロ」の元に向かいました。
「ココロ」がなかなか落ち着かないものの、採食や赤ちゃんへの授乳、豪快な砂浴びが確認できました。
赤ちゃんも初めて触れるものに、ビクビクしながらも興味津々です。
ところが、しばらくすると・・・外が嫌ならすぐに戻れるようにと、
出入り自由にしていた寝室内を「ココロ」が警戒し始めました。
いつもと変わらない、何年も過ごした場所に突然警戒してしまうなんて...ありえない...
と思うかもしれませんが、動物自身も何が怖いか、よくわからないけれど、
なぜか嫌だということは起きるのです。
こんな時は動物が落ち着き、安心だと納得するまで、待ってあげることも必要です。
無理をさせれば、寝室は怖い印象になり、人への警戒心は増し、関係が悪くなるかもしれないからです。
しばらく親子2頭にし(もちろんこっそりじっくり監視中)、「ココロ」を落ち着かせ、
たまに声をかけて、大好きなエサを差し入れました。
そして、しばらくすると、赤ちゃんが寝室に戻り、「ココロ」も戻ってきてくれました!
ホッとしたと同時に母親の「ココロ」へのケアをもっと丁寧にしなければと思いました。
(外がのぞけるようになった赤ちゃん)
そして現在、「ココロ」の警戒を和らげるための「赤ちゃんに興味ないよ作戦」や
静かな環境作りと並行し、赤ちゃんのために真逆のことも開始しています。
2頭の様子を見ながら、いろいろな物を見せ、いろいろな音を聞かせています。
これは「ココロ」や「ラッキー」にもやってきました。
シマウマやキリンなどの草食獣は驚きやすい動物ですが、その対象を排除するのではなく、
あえていろいろな経験をしてもらい、受け入れてもらうのです。
いろいろな経験を積んでおくことで、感じるストレスを緩和し、
パニックを防ごうという取り組みで、彼らを守ることにつながっていくからです。
さて、展示練習ですが、翌日からは初めの30分くらいは「ココロ」が落ち着かない様子はあるものの、
寝室に自由に出入りもでき、担当者の呼びかけにも応えてくれるようになっています。
(寝室から外を眺めるのも好きです)
まずは1番小さな小展示場で、親子のみで練習していきます。
(赤ちゃんは外が気に入ってなかなか戻らないことも)
次のステップはいつになるかは、親子次第ですが、キリンのモミジに立ち会ってもらうか、
中展示場に出る練習にするか...よく考え、親子の安全第一に取り組んでいきます。
展示練習にあたり、キリンたちやラッキーがお部屋待機になるため、
ご来園のお客様にはご覧いただけずご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解とご協力をお願いいたします。
(飼育展示係 落合)