更新日:2022.04.27アン、はじめての1頭旅
アン、はじめての1頭旅
ミナミコアリクイのアンが野毛山動物園に来てくれて、早いもので1ヵ月が経とうとしています。
アンにとっては怒涛の1ヵ月(飼育担当者の心の声も含んじゃってますが・・・)を経て、少しずつ横浜での生活にも慣れてくれたようです。
元々、アンは伊豆シャボテン動物公園で両親と兄弟たちとの大家族で育ち、特に兄弟たちとはずっと一緒に生活していました。
遊ぶのも、寝るのも、ご飯を食べるのも、いつも兄弟たちと一緒。
ワチャワチャしたり、ぬくぬくしたり、していたようです。
アンの移動前に伊豆シャボテン動物公園さんにお邪魔した時に撮った写真(2022年3月16日撮影)。
兄弟3頭で地面をホジホジしているところをパチリ📸
もうすぐ移動日なのに仲睦まじい姿を見て、胸がいっぱいになりました(泪)
野毛山動物園にはアサヒが居るものの、いきなりアサヒと一緒にするわけにはいかないので、しばらくは1頭での生活に馴れてもらう必要があり、実はそれを一番心配していました。
少しでもアンにリラックスしてもらえるよう寝室として使う獣舎の小間には新たな寝台を設置。
今回もアサヒの実家?でもある爬虫類館の飼育担当者が棟梁になり、その弟子たちと共にこんな素敵な寝台とアプローチを設置してくれました。
まずはアサヒが『お試し利用』。気に入ってくれたようで、よく寝ています(いつもかな??)。
「アンちゃんも気に入ってくれると、良いなぁ」
入園日までにアンを迎えるための準備を万全にしてきましたが、当日朝の『アンちゃん、伊豆シャボテン動物公園を出発しました』の園内無線が入った時には、嬉しさとともに、これから野毛山動物園に課せられた重要な任務に緊張感も沸いてきていました。
その緊張も、無事に到着したアンの姿を見た瞬間に和らぎました。
先ほども触れたとおり、移動日の朝まで兄弟たちと一緒に居て、生まれて初めて1頭。しかも車での長距離移動。
さぞかし、心細かったことでしょう。
アンちゃん、長旅お疲れ様でした。
これから、よろしくね。仲良くしてね!!(アサヒ&飼育担当者より)
本音では、すぐにでもアサヒの暮らす獣舎へ連れて行きたいところでしたが、移動してきた動物は約2週間の自主検疫を行うため、まずは園内の動物病院で過ごしてもらうことにしました。
キャリングケースから出たばかりのアン。
少し緊張しているようです。無理もないです。
ゆっくり探索してね。
緊張気味だったアン。それがしばらくすると・・・。
アンちゃん。
(施錠はしっかりされておりますので、ご安心を!)
アンちゃん。
アンちゃん。
様子を見ていた職員たちから「おおっ!!!」「アンちゃん、そんなこともできるの。凄いねぇ」などなど、歓声が沸くくらいアクロバティックな動きをするアン。
『好奇心旺盛で凄く動きますよ』とは伊豆シャボテン動物公園の飼育員さんからうかがってはいましたが、本当に凄い!
アサヒがしたことのない動きをたくさんするので驚きました。特に、尻尾の使い方が上手い!
さすが、樹上性の動物。再確認させてもらいました。
マイペースなアサヒとは対照的な部分も多いですが、アサヒもアンもそれぞれの個性があり、どちらも良いところばかりです。
この個性を尊重しながら、2頭のお世話を続けていきますので、温かく見守ってください。
あらためて。
ようこそ、アンちゃん!!!
今回はだいぶ長編になってしまいました。
すみません。
しかし。まだまだ、アンちゃんのネタあります!
興味のある方、次回をお楽しみに。
※2022年4月19日より、屋内展示場にてアンの一般公開(11:00~14:00)が始まりました。また、アサヒも同時間帯に屋外展示場の方に、放飼しております。
ミナミコアリクイ舎観覧場所は大変狭いため、ご覧になる際は、譲り合っての観覧へのご理解をお願いいたします。周りの方々へのご配慮、皆様ご協力をお願いいたします。
(動物の状況や天候等により、展示を見合わせることもございます。予め、ご了承ください)
飼育展示係 大谷