更新日:2021.08.22グレビーシマウマの採血に向けたトレ―ニング
グレビーシマウマの採血に向けたトレ―ニング
ある日の朝のグレビーシマウマの「ココロ」と「ラッキー」。
野毛山にやってきた頃に比べて、体も立派になり、展示場にもすっかり慣れた2頭。運動不足解消や過長蹄防止のため、夜間は寝室と展示場を自由に行き来できるようにしています。
どちらが「ラッキー」かはわかりますよね?
スヤ~ZZZ...(もちろん、こちらが「ラッキー」)
さて、今回はグレビーシマウマの2頭が取り組むハズバンダリートレーニングの経過を紹介します。
なぜトレーニングを行うのかというと...キリンやグレビーシマウマなど大型草食獣では具合が悪いことに気づいても、飼育係が自力で保定することは難しく、麻酔をかけなければ血液検査や診察、治療などが困難だからです。しかし、麻酔をかけるリスクも考慮しなければならず...できる限りの対処療法を行い、回復を願いながら様子を見て待つ時間が必要でした。
もし...トレーニングを通して飼育係や獣医による目視だけではない健康診断や定期的な採血が行われ、病気を早期発見・早期治療ができていたら、きっと救われる命があるはずです。
そこで、健康管理のため、「ココロ」と「ラッキー」にも採血ができるようになってほしいと野毛山に来園して、すぐにトレーニングを開始しました。その経過をご紹介します。
まずは寝室の柵に横向きで体を寄せるトレーニングを行い、
担当者が体に触れて脱感作を行いました。(こちらは「ラッキー」です)
次に獣医にも立ち会ってもらい、獣医が体に触れて脱感作を行います。
キリンとは違い、警戒心が強く、咬む力も強いので慎重に一歩ずつです。
動物も人も安全に!が大切です。
注射針を刺す段階に向けて、アルコール消毒、ペンや先端を切った針などを採血部位に当て、様々な刺激への脱感作を行います。
現在、「ラッキー」はこの脱感作を重点的に行い、「ココロ」は横向き態勢を取るトレーニングの強化中です。人見知りしない2頭なので、ここまでは順調です!
がんばろうね、「ラッキー」。
いつか採血や触診などの健康診断が定期的に行われ、削蹄も日々の飼育管理の一環となるように、2頭と獣医の協力の基、頑張っていきたいと思います。
(モモタロウにいつか報告できるように 落合)