
更新日:2025.01.02野毛山動物園で見られる生きもの⑤
野毛山動物園で見られる生きもの⑤
このブログでは野毛山動物園を含む、野毛山公園で見られる生き物についてご紹介します。
今回は野毛山公園で見られる少し珍しい鳥類についてご紹介したいと思います。
野毛山公園でよく見られる鳥類といえば、皆さんもなじみ深いハシブトガラスやハシボソガラス、スズメやドバト、キジバト、メジロやシジュウカラなど都心でも見られる種類です。一方渡りの時期になると、渡り途中の渡り鳥が野毛山公園でも少し休んだりしていくことがあります。その場合は長くても2日間、場合によっては半日だけ滞在してすぐに移動したりしてしまいます。なぜ立ち寄るのか考えてみたのですが、野毛山公園の周りは桜木町駅や日ノ出町駅などいわばシティであるため、野毛山公園は小休憩ができるオアシス的な役割になっているのではないかと思っています。
少ししか滞在しないため、鳴き声や鳥たちの様子を普段から気にかけていないと見逃してしまいます。そのため、野毛山公園では少し珍しいです。
ではどんな鳥がいたのかご紹介していきます。
まず3月に観察した夏鳥です。夏鳥とは東南アジアで冬を過ごし、春頃渡りをはじめて日本で繁殖をする鳥類で、秋ごろ再び渡りを開始し東南アジアに戻っていく渡り鳥です。
3月になり、シジュウカラやメジロがさえずりをしたりと繁殖行動が活発になる中、
シジュウカラ
メジロ
「チヨチヨビー」と普段聞かない声が聞こえてきました。
これはセンダイムシクイのさえずりです。鳥を探す時にはさえずりや地鳴きなどの鳴き声がとても重要になります。ですが、覚えるのがなかなか大変です...
そこで、さえずりを覚える時にききなしという言葉があります。ききなしとは鳥のさえずりを覚える時に人の言葉に置き換えて覚えることです。
例えば、ウグイスだったら「法、法華経 ほう、ほけきょ」
だったり、オオヨシキリだったら「行々子、行々子 ぎょうぎょうし、ぎょうぎょうし」
などなど
さて、センダイムシクイのききなしはどんなものかというと
「焼酎一杯ぐいー」
うーん。聞こえなくなくはない。いや聞こえない。私の実力不足だと思います。
焼酎一杯ぐいーには聞こえませんが、とてもインパクトのあるききなしだったので
気になって調べてよく聞いているうちに覚えることができました。
また、ムシクイの仲間はどの種も見た目がとても似ているので、識別する時には鳴き声が最も重要です。
この声が聞こえ、「お、ついに渡ってきたかな」と思い、声がする大池に向かってみると樹上でせっせと葉っぱにつく虫を探すセンダイムシクイがいました。
東南アジアから渡ってきたことを考えると、こんな小さな体ですごいな、いっぱい休んでね。と思いました。結局この日の午後には見られなくなりました。
ぜひみなさんも春頃来園される時は耳を澄ませてみてください。
野毛山動物園 筋トレ部部長 多田