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『ズーラシアの歩き方~中央アジアの高地編~』の写真

更新日:2026.07.04『ズーラシアの歩き方~中央アジアの高地編~』

更新日:2026.07.04

『ズーラシアの歩き方~中央アジアの高地編~』

「オセアニアの草原」を抜けると、風景は一変して中国華南地方の山岳地帯を彷彿とさせる「中央アジアの高地」ゾーンへと移り変わります。

このエリアは、竹林や山水画のような渓谷、そして浸食された石灰岩が織りなす独特の景観で構成されています。

オセアニアの草原から中央アジアの高地エリアを臨む.jpg

オセアニアの草原ゾーンから中央アジアの高地ゾーンを臨む

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中国将棋卓とドールの観覧ビュー

    

1. 人家と自然が調和する「隠す」展示

このゾーンで展示されているサルの仲間は、ケージ(檻)を用いた展示が必要でした。しかし、限られたスペースで檻の存在感を消すために、中国南東部の伝統的な家屋や竹垣を配置。これらを「人の生活空間と自然界の境界線」として機能させています。

観覧エリアとなる家屋の内部には、弁柄塗装やモザイクアートなどの中国文化の要素を凝縮。一方で、隣接するオセアニアの草原ゾーンとの景観バランスに配慮し、建物の外観はあえてシンプルに抑えられています。これにより、来園者が家屋の窓からのぞくと、建物が「額縁」のような役割を果たし、檻の存在を意識させずに動物たちの世界へ没入できる仕掛けになっています。

中国華南地方の民家を模したビューポイント.jpg

中国華南地方の民家を模したビューポイント(外観はシンプルに作られている)

将棋卓と中国華南地方の民家を模したビューポイント.jpg

中国将棋卓から臨むビューポイント

     

2.  立体的な景観で描き出す生息環境の違い

かつて中国産の金色のサル、キンシコウ(金絲猴)が展示されていた現在のテングザル(本来の生息地は熱帯のカリマンタン島(ボルネオ島))展示場は、中国産の天然石と擬岩を組み合わせることで、奥行きのある渓谷を再現。ビューポイントよりも展示場を掘り下げることで、樹上生活を送る姿をより自然な角度から観察できるよう設計されています。

一方、チベットモンキーの展示場は切り立った岩場を強調した山岳景観となっており、2種のサルの生息環境の違いが対比されています。

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かつて展示されていたキンシコウ

     

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観覧ビューからテングザル(旧キンシコウ)展示場を臨む

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観覧ビューからチベットモンキー展示場を臨む

     

3. 照葉樹林から草原へ、広大な気候の推移

続くドールの展示場では、タイ国境付近の照葉樹林をテーマにしています。タイ北部の少数民族「ヤオ族」の民家や高床倉庫をモチーフにした観覧ビューからは、森の縁や奥といった異なる情景をのぞき見ることができます。

キンシコウ(現テングザル)やチベットモンキーの湿潤な森から、ドールの照葉樹林、そしてモウコノウマが駆ける乾燥した草原へ。この一帯を進むことで、低緯度から高緯度、多湿から乾燥へと移り変わるアジア大陸のダイナミックな気候の変化を体感できる構成となっています。

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少数民族「ヤオ族」の民家を模したドールの観覧ビュー

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モウコノウマの展示場

    

ここでは、『中央アジアの高地』ゾーンのトリビアをご紹介します。

<弁柄(べんがら)塗装>

テングザルとチベットモンキーの人止め柵や、民家をモチーフとした両種の観覧ビューの梁や柱に塗られている赤色の塗装は、「弁柄塗装」と言います。アジアの伝統的な建築物で使用される塗装です。酸化鉄を由来とした無機顔料で、日本では原料をインドのベンガル地方から多く輸入していたことから『弁柄(べんがら)』と呼ばれています。経年劣化がしにくく、毒性がないため体に優しい塗料とされています。

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テングザルの人止め柵

観覧ビュー上部の弁柄塗装された梁と柱.jpg

華南地方の民家を模した観覧ビュー上部の梁と柱

     

次回は『日本の山里』編です。お楽しみに~

過去の連載はこちら

『ズーラシアの歩き方~アジアの熱帯林編~』

『ズーラシアの歩き方~亜寒帯の森編~』

『ズーラシアの歩き方~オセアニアの草原編~』

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