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チベットモンキーのイルミの写真

更新日:2022.01.23チベットモンキーのイルミ

更新日:2022.01.23

チベットモンキーのイルミ

チベットモンキー担当の坂上です。
チベットモンキーのイルミ(オス、25歳)が、1月14日に死亡しました。
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3年ほど前から冬になると食欲が落ちたり、動きが悪くなったりして体調が崩れ、春になると少し戻るという状態が続いていました。

元気な頃のレントゲン写真と具合が悪くなり始めた頃の写真を比べると、心臓の大きさが大きくなっており、心臓疾患の疑いがありました。イルミが高齢であること、また心臓に負担をかけないようにと考え、日々イルミの体調に合わせて飼育、対症療法を行っていましたが、今月になって動くこともやっとの状態となり14日の朝死亡しました。
 
イルミは体はとても大きく迫力がありましたが、ワカメ(メス、27歳)が平気な物や事でもイルミは怖がったりするなど、とても繊細でした。


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でもその中でもチベットモンキーの力強さやワカメに対する優しさ、様々な表情を見せてくれました。
チベットモンキーはこんなに感情や表情が豊かな動物なのだといつも感じていました。
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私がとても印象に残っているのが、ワカメとイルミが一緒にいるときはワカメがいる手前、担当者に対して威厳を保つために、フェンス越しに口を開けフェンスを叩いたりして威嚇してきました。しかし、イルミと担当者だけになると、「あなたに敵意はありませんよ」という意味である歯をカチカチと鳴らす行動を目を合わせながらよくしてきました。これもイルミなりの優しさだったのかもしれないですね。

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イルミはいつも展示場で拾ったお気に入りの石を頬袋の中に入れており、その石を口の中で転がしたり、展示場の岩でこすったりしていました。
昨年の12月末ごろから展示場には出ていませんでしたが、死亡時も頬袋には1つ石が入っていました。展示場に転がっているただの石でも、イルミにとっては宝物だったのだと思います。
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イルミはズーラシアで10年間過ごしましたが、そのうちの6年間を担当や代番者(担当者がお休みのときに飼育する人)として関わりました。イルミからは今までの飼育員人生の中で一番長く飼育する時間をもらい、最後まで本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。
ありがとう、そしてお疲れ様、イルミ。


P.Sイルミがいなくなってから、ワカメが心配でしたが、ワカメはいつも通りよく食べて、変わらず元気です。

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チベットモンキー担当 坂上