
更新日:2022.03.31群れの移行4
群れの移行4
前回のブログ(「群れの移行3」)は、繁殖期のお話でしたが、最近は繁殖期が終わり、日差しも優しいため皆くつろいでいます。
(最近このポーズを覚えたリオネル:下)
(伸びるニーヤン)
(思い思いに過ごす群れ)
寝室に帰ることを時々嫌がっていたミロですが、最近はスムーズに帰ってきています。元々寝室への収容直後に子ザル(特にミソ)から圧をかけられることを怖がっていたミロでしたが、子ザルが別のことに集中している間にミロを収容したり、収容後もゆっくり餌を食べられるよう一時的に部屋を区切ったりしました。
しかし、ミロにとって一番良かったことは、ミロ自身が群れから離れたくないと思っていたことでした。
(仲のいいメンバーと過ごすミロ 左上からトミコ、フジ、ミロ)
また、アルファオスのニーヤンにも変化が起きています。前アルファオスのダイチャンは人望があったのに対し、現アルファオスのニーヤンは力でアルファオスになりました。そのため元々群れから距離を置かれていた上に、さらにニーヤン自身が見境なく圧を掛けていたので群れとの交流はあまりない状態でした。
それが、最近は毛づくろいをしてもらったり、ニーヤンからしたりする様子も見られるようになりました。まだ、オスや順位が高いメスなど一部の仲の良い個体としか毛づくろいをしませんが今後が楽しみです。
(左から、イッチャン、ミソジ、ニーヤン、ゴロウ)
(寝転がるゴロウを毛づくろいするニーヤン)
また、ニーヤンと子ザルの関係も変わってきました。元々「子ザルの面倒見がいいのが唯一の美点」と歴代担当者から思われていたニーヤンですが、今年は子ザルがいなかったせいか面倒見のいいイメージがありませんでした。それが最近はニーヤンを真似て尾を上げるヤマト(3歳オス)と歩調を合わせて歩いたり、ミソ(2歳オス)が羽目を外しすぎたら叱るなど子ザルともよく関わるようになってきました。
(ニーヤンと子ザル ニーヤンはお気に入りの場所で休み、子ザルが近くで遊ぶ)
アルファオスが交代してまだ一年未満。群れはまだまだ不安定です。ヤマトが成熟し、今は群れから離れているおとなサル(メス1頭、オス2頭)が群れ復帰したりすれば荒れることもあると思います。今後もニホンザルたちを温かく見守っていただけたら幸いです。
私は3月末でニホンザル担当ではなくなります。1年間という短い期間でしたが、アルファオスの交代や大規模な展示場修繕などたくさん経験を積ませていただきました。今までありがとうございました。
ニホンザル担当者 森泉さやか