更新日:2018.06.25シュリーの部屋におが粉を敷いています。
シュリーの部屋におが粉を敷いています。
数か月前からインドゾウのシュリー(メス、23歳)の寝室におが粉(オガコ;木クズを粉状に砕いたもの)を敷いています。これは、軟らかい床の上で過ごすことで、足や体への負担が減ることを期待して実施しています。
まずはシュリーが過ごす2部屋のうちの1つに導入しました。おが粉が部屋の外に流れ出ないように部屋の周りを木枠で囲いました。ゾウの力でも木枠が外れないように、業者さんに設置してもらいました。
まずは、床に穴を空け、ボルトを入れます。
そして、木枠を設置していきます。
4面が木枠で囲われました。
いよいよおが粉導入!フォークリフトでどんどん入れていきます。
1部屋のほぼ全面におが粉がしきつめられました。おが粉の厚みは約15cmくらいです。
さて、部屋に帰ってきたシュリー。すぐにおが粉部屋に入り、足で地面を掘ったりおが粉を背中にかけたりしていました。そして、その日の夜からは毎日おが粉の上で眠るようになりました。
おが粉導入前後での行動観察の結果、横になって休息をとる「横臥」に注目してみると、おが粉を入れた初日はそれほど変化はありませんでしたが、次の日からは「横臥」の割合が増加していることがわかりました。これは睡眠時間が増加したことを意味します。
平均すると約60分も睡眠時間が増えました。足への効果はまだ検証できていませんが、眠りの質が向上したと言えそうです。以前は朝5時くらいには目覚めて、その後ウロウロ歩くことが多かったのですが、おが粉を入れると、5時に目覚めたあと、再びおが粉の上で横になり、6時くらいまで休息する日が増えました。きっと気持ち良いのでしょう!
(朝の6時、横になって休息するシュリーの様子)
おが粉部屋でのシュリーの足元の写真です。足が少し沈んでいるのがわかりますか?硬いコンクリートの上よりは足への負担が減っているはずですが、今後客観的に検証できたら良いなと思っています。この先何十年もゾウが健康で過ごせますように!(古田)