更新日:2026.02.20第8回 ウマの小話「ウマの家畜化②」
第8回 ウマの小話「ウマの家畜化②」
前回のブログ:第7回 ウマの小話「ウマの家畜化①」
皆さん、いわゆる先進国はどうして北半球(特にユーラシア大陸)に多いのでしょうか?疑問に感じたことはありませんか?
実はこれは、ウマを始めとする家畜と、稲や小麦といった主食となるような農作物の原種の多くが、奇跡的にユーラシア大陸に棲息(自生)していたことと深い関係があります。

注)動物のイラストは便宜上のもので、原種のものではありません
上の図を見ると、家畜の原種はほぼユーラシア大陸とその周辺に棲んでいたことが分かります。特に馬は軍事や輸送、農耕の動力を劇的に発達させました。一方、南半球や南北アメリカ、アフリカに棲息しているのは、性格が凶暴だったり、群れを作らなかったりする動物(シマウマやバイソンなど)が多く、これらの動物を家畜化することができなかったと言われています。
また農作物に関しても、保存性が高く、栄養価に優れた穀物である小麦や大麦は中近東やヨーロッパ、米(稲)も中国と、多くが北半球で栽培が始まりました(アメリカ大陸で栽培されたのはトウモロコシ、ジャガイモなど)。
さらに、ユーラシア大陸は東西に広がっています。これにより、他の大陸と比べて、ユーラシア大陸は文明の伝播が圧倒的に速かったとされています。同じ緯度では日照時間や季節の変化が似ているため基本的に同じ気候になります。このため、ある場所で開発された農作物(麦や米など)や家畜は東西に移動しても、そのまま育てることができました。これにより、ウマなどを輸送手段として農業技術や発明などが急速に大陸全体に伝わったとされています。逆に南北アメリカやアフリカ大陸は南北に広がっています。この場合、移動すると緯度が変わってきてしまうため、気候や植生が変わり、うまく育てることができず、農業技術が広がるスピードは極端に遅くなってしまいます。
つまり、北半球(ユーラシア)はウマを始めとする家畜の原種や、小麦などの栽培できる優れた野生種が多く棲息していたという点に加えて、それらが広がりやすい構造の大陸であったため、農業技術の進歩とともに人口増加や技術革新、国家の発展が早く進み、それが現在の先進国の分布に繋がったと考えられています。
次は担当動物のモウコノウマの話になります。
第9回ウマの小話「モウコノウマと血統登録」です。
<モウコノウマ担当>