更新日:2026.02.08第7回 ウマの小話「ウマの家畜化①」
第7回 ウマの小話「ウマの家畜化①」
前回のブログ:第6回 ウマの小話「ウマの体③(耳・歯)」
ウマの家畜化は、最新の研究によるとロシア南部のドン川とヴォルガ川の下流域で約4,200~4,700年前(紀元前2,700~2,200年頃)に始まったとされています。
ヒトが野生動物を家畜化する場合、次の条件が揃う動物でないと難しいとされています。ウマは他の家畜化された野生動物の中でも、特にこれらの条件にピタリと一致した動物と言えます。
<家畜化の条件>
1 餌がすぐ手に入るようなものであること
→ウマは草原地帯に棲み、主に雑草を食べるなど粗食に耐えられる動物です。
2 成長速度が早いこと
→ウマはゾウなどと違い数年で成獣になります。
3 繁殖させやすいこと
→ウマはヒトの管理下での繁殖が容易だったため、ヒトに従順な個体を選抜したり、用途に合わせて様々な品種が生みだすことができました。

<様々なウマの品種(2011年撮影)>
4 縄張りを持たず、群れを作ること
→ウマは、一般的に縄張りを持たず、ハーレムやバッチェラー(若い雄馬の群れ)を作って暮らしているので、群れで暮らすことに慣れており、ヒトが群れのリーダーになることで飼いならすことが可能でした。
5 攻撃的でないこと
→ウマは縄張りがないために縄張りを巡って争うことがなく、群れで暮らすため協調性が高く、従順で大人しい性格になったとされています。
6 神経質でないこと
→家畜ウマの原種になった野生馬に比べて、モウコノウマは神経質だったため、家畜化されなかったと言われています。
さらにウマが家畜としてヒトと深い関係を築くことができたのは、次の理由があります。
・好奇心が強く協調性があったため、ヒトが積極的にコミュニケーションをとることができたこと。
・角や牙を持っていないので、飼育する際に危険が比較的少ないこと。
・門歯と臼歯の間に歯のない隙間ができたことで、ヒトは銜(ハミ)という馬具を入れることで手綱を操って騎乗することができたこと。(反芻動物であるウシやヤギなどは、銜を入れると反芻の際に吐き戻した食物を再咀嚼することが難しくなる)

<銜(ハミ)を付けている木曽馬>
このように、ウマはヒトが家畜化するための条件を数多く有した動物であり、移動手段としてウマは自動車の何十倍も長くヒトと共に歩んできました。
次回は、先進国が北半球に集中している理由をウマを始めとする家畜や農作物の原産地との関係を踏まえてご紹介したいと思います。
第8回ウマの小話「ウマの家畜化②」です。
<モウコノウマ担当>