更新日:2018.06.29オシドリの衣替え
オシドリの衣替え
私たちは、季節が替わるとその時の気候に合わせ衣替えをします。冬は暖色系の色合いの物を選んだり、夏は涼しげな色調の物を選んだり、季節に合わせてファッションを楽しむこともします。
実は、カモの仲間も季節によって大きくイメージチェンジを図る鳥たちがいます。例えば、オシドリ。
みなさんがイメージするのは、こんな風に色鮮やかなオスのイメージではないでしょうか。
オスの右にいる2羽がメスたちです。
オスは繫殖期には、メスの前でオス同士がビュンビュンと鳴きながら頭を振り、鮮やか羽を見せてメスたちの気を引きます。
メスに受け入れられると、ストーカーのように(あっ、失礼!)ピッタリ寄り添い、他のオスのところへ行かないようにしています。
ところが、6月中旬のある日、展示場にオシドリのシンボルともいえる銀杏羽が落ちていました。
それから、数日の間にもう片方の羽も胸元のきれいな羽も次々に抜け落ちていました。大変、これでは大事なメスの気持ちが離れてしまうのでは!?
おまけに冠羽も少し抜け落ち今までの風貌とだいぶ違います。病気でしょうか?
そういえば、巣箱の中で抱卵していたメスが巣箱の外にいることが多くなりました。今シーズンの卵は残念ながら無精卵でした。そろそろ繁殖期が終わりに近づいてきたようです。オスたちも、勝負服ともいえる目立つ模様の羽がいらなくなりました。天敵にも狙われやすいので、さっさと脱ぎましょうということでしょうか?
これは去年夏のオシドリのオスです。ちょっと変わったメスといった感じです。
もう一度、繁殖期の姿と見比べてください。とても、同じ個体には見えませんよね。
こんな風に、繁殖期を終えたあとに一時的に見られる、メスに似た地味な羽色のことをエクリプスといいます。違う鳥がいるわけでも、病気なわけでもありません。
他にもキンクロハジロや大池のマガモのオスも、エクリプスになります。
これからの季節、派手な色彩がなくなり少し寂しくなりますが、春の繁殖期を終えどんな姿に変身しているかオフシーズンのオスたちの様子もぜひ見に来てくださいね。
(飼育展示係 尾崎)