更新日:2024.02.18モット採血
モット採血
血液は、体の中がどのような状態なのか教えてくれます。
よって血液検査はとても重要な検査です。
採血経験がある方の中には、チクッとしたり、緊張したり、
血を見るのが苦手で嫌だなあと思う人も多いと思いますが、
叫んで暴れたり、採血者を噛んだりすることはあまりない(?)と思います。
では動物はどうでしょうか。
動物から採血する際、もちろん人のように腕を出し、
終わるまでじっとしてもらえるなんてことは滅多にありません。
鳴いたり怒ったり暴れたりと様々です。
ということで、動物と採血者のお互いの安全のために、
動物を不動化させる保定という役割が必要になります。
獣医師業界では、「保定八割」なんて言葉もあるくらい保定が重要です。
今回はモルモットの採血についてご紹介したいと思います。
野毛山動物園ではモルモットを多く飼育しているため、
モルモットの採血を行う機会が多いです。
いろいろな部位から採血できますが、主に腕の血管である橈側皮静脈から採血を行っています。
モルモットの四肢はとっても短いので(そこが最高にかわいいですよね)、
保定者はなかなか腕を持ちづらいです。
また暴れたり、場合によっては採血者や保定者を噛む個体もいます。
ということで今回はこのように保定をして採血を行いました。
?????モルモット...???? という感じですが、
タオルにくるまれているなかよし広場のモルモット、グレンジャーさんです。
苦しくないようにお顔もちゃんと出しています。
落ち着いた様子のグレンジャーさん
タオルでおくるみの様に包むことによって、前肢を固定でき、
本人もじっとしてくれるので素早く無事に採血できました。
タオルの端で駆血も可能!採血者も噛まれない!診療台から落ちる事故も防げる!
かわいい!!などなどいいことづくしのタオルおくるみ作戦でした。(先輩のアイデアです)
また採血後はしっかりと止血も行います。
グレンジャーさん、頑張ったね!ご褒美のリンゴもしっかり食べました。
採取した血液はすぐに病院の検査室で検査を行います。
このように、いろいろと個体に合わせて採血の保定のやり方も工夫しています。
動物に負担をかけず、安全になおかつ迅速に血が採れるようまだまだ修行の日々ですが
機会があれば、またご紹介したいと思います。
飼育展示係 真砂