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小さな動物の骨折の写真

更新日:2014.07.15小さな動物の骨折

更新日:2014.07.15

小さな動物の骨折

金沢動物園では、ケガや病気で弱っている野生動物を保護しています。

その中で小鳥やコウモリなどの小さな哺乳類の骨折は、
患部が小さいのとちょっとしたストレスでも死んでしまうことがよくあるので、
なかなか治療が難しい症例です。

かと言って、バンソコウなどで簡単に処置を終えるようにすると、
骨が曲がってくっついたり、翼全体を包帯で巻いたりすると、
周囲の関節が固まってしまい飛べなくなったりします。

そこで、最近思いついてやり始めたのが、瞬間接着剤です。
もちろん、医療用の瞬間接着剤で、皮膚縫合の代わりに使う目的で開発された物です。

骨が飛び出しておらず、ほとんど骨折端がずれていなければ、
ものの数分で処置は終わりになります。
あとは約一ヶ月外れなければ、綺麗に骨折が治っているという具合です。

翼を骨折したカワラヒワの成鳥は、この方法で骨折が無事治り、
既に放野することができました。

その後もムクドリのヒナやコウモリの成獣に試して、
ただいま、一ヶ月経過して結果が出るのを待っている状態です。
さてうまく行くかなぁ・・?(山本)



アブラコウモリの翼(腕)の骨が2カ所折れています(赤丸)。
腕の先の方の骨折は、皮膚が破れておらず、骨折端もほとんど
ずれていなかったためプラスチックの管を縦に半割したもの(青丸)を沿わせて、
瞬間接着剤で貼り付けただけで済みました。



腕の根元の骨折端は、皮膚を突き破って外に出てしまっていたので、
消毒した後、中に戻します(赤丸)。
体の負担を考え無麻酔で終わらせたかったので、最初、上の写真のように襟首を
掴んで行っていたのですが、怒って噛みつこうとするので、注射器の外筒を少し切り、
そこから腕を出して処置しました。


骨折端を収めた後、皮膚を接着剤でとめ(赤丸)、
プラスチックの管を縦に半割したもの(青丸)を沿わせて内側に
貼り付けました。



この場合は内側の副木だけでは不安があったので、腕の外側にも
輸液バックのフチを切って貼り付けました。