
更新日:2025.07.31【獣医ブログ】7月のズーラシアどうぶつ教室
【獣医ブログ】7月のズーラシアどうぶつ教室
こんにちは!
7月のどうぶつ教室担当です。
7月は『動物病院見学ツアー』を実施しました!
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
昨年も同様の『動物教室見学ツアー』を実施し、ブログでも動物病院についてご紹介しました(その時のブログはこちら:6月の【ズーラシアどうぶつ教室】)。
今回のブログではもう少し詳しく、動物園にある動物病院ならではの道具や設備をご紹介します。
まずはこちら。
麻酔銃の弾です。
ペットの犬猫や産業動物である牛馬とは異なり、動物園動物の多くは、人が簡単には触ることのできない動物たちです。ハズバンダリートレーニングや捕獲・保定により治療をすることもありますが、動物種や薬の量などによっては、直接、手での注射が困難な場合があります。
そんな時に活躍するのがこの麻酔銃。
遠くから動物のお尻や太もも、肩の筋肉を狙います。動物園では吹き矢も多く使われていますが、吹き矢は肺活量が必要となるため、ズーラシアでは麻酔銃を多く使用しています。
前側のスペースには薬液を入れ、後ろ側には動力となるガスを注入することで、ガスの圧力でゴム栓が動き、薬液が注入される仕組みです。
麻酔銃用の針をよく見ると......?
普通の注射針では先端に穴があいていますが、こちらの針の先端は穴があいていません。
代わりに針の側面に穴があいていて、その部分にゴムのキャップがついています。
針が動物の身体に刺さるとゴムのキャップが移動し、穴から薬液が注入されます。
続いてはこちら。
解剖室にある大きな冷蔵庫&冷凍庫です。
園内で死んでしまった飼育動物は、すべて解剖して死因を調べています。解剖が終わった後も、骨格などを研究・教育に役立てていただくため、博物館などに寄贈しています。
この冷凍庫で一時的に保管し、ある程度溜まったら博物館の方に引き取っていただいています。
最後は、昨年のブログでも少し紹介したこちら!
左が小動物用の麻酔器、右が大動物用の麻酔器です。
ガス麻酔薬と酸素を動物の身体に送り込む装置で、麻酔時の呼吸を補助するための人工呼吸器もついています。
動物園には大小さまざまな動物がいます。動物の大きさによって肺の容量(肺活量)が異なるため、それに応じて麻酔器も使い分けています。
ちなみに当園で一番大きい動物はインドゾウですが、インドゾウの大きさだと大動物用の麻酔器でも容量が足りません......。
動物病院にある道具・設備を少しだけご紹介しましたが、普段どんな風に診療をしているかご想像いただけたでしょうか?
8月のどうぶつ教室は
『昆虫教室~身近ないきものを探してみよう~』
夏といえば虫!!🐝🐜🐞
虫好きな飼育員が昆虫ワールドへご案内します!(※ 昆虫採集ではありません)
(詳細はこちら:【6~8月】ズーラシアどうぶつ教室(毎週日曜))
毎週日曜、当日先着順で定員は20名です。
ご参加、お待ちしております!
☆7月どうぶつ教室担当☆