更新日:2024.09.20アカカンガルー リクの最近 最終回
アカカンガルー リクの最近 最終回
皆様こんにちは。
アカカンガルー・エミュー飼育担当です。
(前回のブログはこちら アカカンガルー リクの最近2)
6月に展示から引退し、バックヤードで生活していたアカカンガルーのリク(No.119)。
過去2回に渡ってそんなリクの近況をお知らせしてきましたが、残念ながら9月12日の昼過ぎに死亡しました。14歳でした。
↑元気なころのリク
8月中旬からそれまでガツガツと食べていた餌をだんだん残すようになり、下旬になるとほとんどど残すようになりました。
14歳という年齢を考えると、最期のときが近づいてきているのはわかっていました。
それでも、その時が来るまでは、少しでもリクがリクらしく、少しでも苦しみが和らぐように...
食べたい時に食べられる物食べられるように...餌を細かくしてみたり、あえて切らずに与えてみたり、いつもふやかしていたペレットよりもふやかさない硬いペレットの方を何故かよく食べたので、ペレットに野菜や果物を混ぜ込み、少しでもリクが体力を維持できる様にしてきました。
また、食べやすいようにあげる容器もあれこれ変えてみたりしました。
「今日は食べてくれた!」と思えば次の日は「全然食べない...」と毎日一喜一憂しながら過ごしていました。
14年のリクの一生のうち、私が関わることが出来たのはわずか2年半ほどです。
担当になった当初、全部で30頭ほどいたアカカンガルーたち。
「絶対覚えられないよ...」と思いながら、最初に覚えた個体がリクでした。出会った時はムキムキでアカカンガルーのオスのイメージそのままの個体でした。
体調を崩してからも持ち前の気の強さは変わらず、何かと飼育担当者に低い声で「ゔぅ〜」と唸っていました
2年半の間にオスの群れ最強の座を退き、展示から引退し、最期はひっそりと穏やかな表情で旅立ちました。
リクを送り出したその日、カンガルー舎のいたる所にリクがいた形跡が残っていました。
↑リクが最期まで過ごした小寝室のドア
↑帰宅前に忘れない様にカンガルー舎のドアに貼っていたテープ
リクのために30㎏の乾草を敷き詰める作業や、一喜一憂しながら餌を作る時間や、園内で食べそうな木の葉を探す事などその一つ一つから、飼育員として動物と向き合うとはどういう事なのか、教えて貰えた気がします。
リクに関わる中で自分なりに考え、得た事を今後のアカカンガルーたちの飼育管理に生かしていきます。
↑死亡する2日前のリク
リク、お疲れさん。
ありがとう、ゆっくり休んで。
アカカンガルー・エミュー飼育担当