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啓蟄(けいちつ)の写真

更新日:2019.02.26啓蟄(けいちつ)

更新日:2019.02.26

啓蟄(けいちつ)

この季節、陽気に誘われ土のなかの虫たちが動きだす頃を「啓蟄(けいちつ)」と呼びます。一雨ごとに春が近づく、そんな季節の気配を感じる今日この頃です。

「夢虫(ゆめむし)」
昔の人は、蝶(チョウ)のことを「夢虫」や「夢見鳥」と呼んでいましたが、その呼び名は古代中国の思想家、荘子の説話「胡蝶の夢」に由来しているそうです。蝶になる夢を見ていたけれど、本当の私は蝶で、いま人間になっている夢を見ているだけではないかという話です。夢と現実が混じりあう幻想的な蝶のイメージは、今も昔も変わりありませんね。さて、緑が少ないこの季節林を歩いていると、ひっそりと落葉の下で咲いている花があります。

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P2191267.jpgカンアオイ  ウマノスズクサ科カンアオイ属
山地の林床に生える多年草で、冬でも枯れないことから「寒葵」の名がついたとか。。。

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ギフチョウの食草(エサ)として知られるカンアオイは、タチアオイなど、いわゆるアオイ科の植物とは全く関係なく、分類上別の植物です。一方、ギフチョウは、江戸時代以前の工芸品の文様として、奈良・平安時代より描かれています。緑少ないこの季節、足元に目を向けながら森のなかを歩くと、ひっそりと咲くカンアオイの花に出逢えるかもしれません。見つけるポイントは、落葉の間からのぞかせる緑色の葉を探してみて下さい。

(けい太)