
更新日:2025.04.20第1回私たちの愛すべき鼻について
第1回私たちの愛すべき鼻について
みなさん、「鼻」好きですか?
私は大好きです。
それはある日の夕方のことでした。
私たち飼育員(元シカ担当とカピバラ・プーズー担当)の間で「鼻」談義が行われました。それはそれは熱く。
具体的にどんな話だったかということは割愛させていただきますが、きっかけはホンシュウジカのアップ写真でした。
「シカの鼻ってジューシーだよね。」
「そう!そうなんです、うるつやでジューシーですよね!」
「プーズーの鼻もジューシーなんだよ!」
それはぜひとも比べてみたい!ということで、今回は「愛すべき鼻」第1回「ジューシーな鼻」についてご紹介します。
まずはホンシュウジカ。
アズキの鼻を見てみましょう。↓こちら。
つやっつや、潤っていてみずみずしいですね!
こちらはメイ↓
鼻に模様が入っているの、わかりますか?
ホンシュウジカの鼻は触ってみてもしっとりしています。しっとり...どころかびしょびしょ。
観察しているとペロペロと舐めている時がありました。
続いてプーズーも見ていきましょう。
こちらはフジ↓
鼻の頭がつやっと輝いていますね!
そしてサクラ↓
うん、いいツヤしています。
さらにリラも↓
うはぁ!うるツヤ度はピカイチです!
プーズーの鼻は、担当者いわく「水ようかんのようなぷるんとした感じ」とのこと。
ご紹介が遅れましたが、ホンシュウジカもプーズーも同じ「シカ科」の生き物という共通点があります。
さて、では。今回取り上げた「シカ科」の二種の鼻は、なぜジューシーなのでしょうか。
その秘密は、しっかりと解き明かすことはできませんでした。
ただ、鼻が濡れていることで、鼻に空気中の匂いの成分が着きやすくなり、匂いを感じやすくなるという効果があると考えられているようです。
もう少し視野を広げ、シカ科と同じ「鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)」のウシ科について調べていると、面白いことがわかりました。
(↑近すぎて何の動物かわからないくらいのホンシュウジカ、アズキ)
ウシの鼻が濡れている様子を見たことがある方はいらっしゃいますでしょうか。
ウシの鼻もつやつや輝いているんです。
その様子から「鼻鏡(びきょう)」と表現されるほど。
なぜそこまで濡れているのか。
それは、鼻の皮下に汗腺から変形したとみられる「鼻唇腺(びしんせん)」と呼ばれる腺が存在していることが理由とされています。
この腺から分泌液が出ていて、鼻がつやつやと光沢をもっているのです。
(↑反芻をしていてお口がにっこりなリラ)
さて、今回は「ジューシーな鼻」について、お話をしてきました。みなさん「鼻」、どうですか?興味を持ってもらえましたでしょうか?
動物園にご来園の際、鼻に注目して観察していただくと、新たな発見があるかもしれません。
それでは次回の「私たちの愛すべき鼻について」でお会いしましょう。
(いつになるのやら...)
金沢の小さいシカ、プーズー担当:大谷、金沢の大きいシカ、ホンシュウジカ元担当:谷