更新日:2014.10.14一石二鳥のおいしい話
更新日:2014.10.14
一石二鳥のおいしい話
金沢動物園は草食動物を多く飼育しています。
一口に草食動物と言っても、草を中心に食べるもの、
木の葉を中心に食べるものとに分かれます。
木の葉を好むのはニホンカモシカ、キリン、インドサイなど。
当然ですが、食べる部位は葉の部分です。
ところがゾウはどうでしょう?
葉だけではなく、枝や幹の木質部も好みます。
これまで、カモシカなどの木の葉の食べ残しはゴミとして処分していました。
そこで、それをゾウに餌としてあげることにしたのです。
ゴミは減りゾウは喜ぶ、これは非常に一石二鳥の作戦となりました。
草などの柔らかい餌と違い、木の枝は硬いし大きいので、
ゾウは足で踏んだり、鼻で引きちぎったり、自分で工夫をしながら
時間をかけて食べています。
また、あまり好みでない樹種も混ざっているので、選びながら食べ、
更なる時間稼ぎとなります。
見た目は、少し残っている葉っぱも枯れていて、
まずそうな餌をもらっているかわいそうなゾウに見えますが、
それは大きな誤解です。
ゾウたちにしてみれば、通常のエサの他に、プラスでもらえる木の枝は
楽しい時間つぶしになっています。
現在はメスの調教後の11:50頃にあげています。
バリバリ大きな音をたてながら食べる、迫力あるゾウの食事風景を、
ぜひ見に来てください。
(半澤 紗由里)